ウソップランド

『ウソップランド』は、1983年 10月26日から1986年 4月16日までテレビ朝日で放送されていた、コントグループ・怪物ランドが主演を務めた深夜バラエティ番組です。全124回。ここでは、後継番組である『なに．ソレ!?』についても合わせて記述します。

番組概要

本番組は、当時のテレビ朝日深夜帯において「田辺エージェンシー制作協力枠」で毎週水曜深夜（木曜未明）0時25分から30分間放送されました。1980年代半ばは深夜放送が活発になり始めた時期で、他局も含め多くの画期的な深夜番組が登場していました。

番組の核となるのは、怪物ランドによる社会風刺や世相を反映したパロディコントです。CM、テレビ番組、著名人、風俗、政治、そして怪物ランド自身まで、幅広い題材を取り上げました。現代の「あるあるネタ」や、特定のキャラクターを演じるシリーズコントが多く見られました（例：「美味しんぼ小僧・ウンチクくん」、「夜の少年ドラマ・バロムI」など）。

撮影は有栖川公園などの屋外ロケが多く、セットは最小限でした。雨天でも傘を差して収録を行うなど、独特のスタイルでした。モンティ・パイソンのスケッチをオマージュしたコントも制作されています。

主な出演者

怪物ランド（平光琢也、赤星昇一郎、郷田ほづみ）
松本小雪
松尾享子

多数の番組スタッフも出演しており、矢尾一樹、石田登星、安西正弘といったゲスト出演者もいました。

主なコーナー

番組には様々なコントや企画コーナーがありました。

ドキュメンタリー・パロディ: 番組前半のメインコント枠。未来予想やハウツー、流行のパロディなどを展開。途中で郷田演じる知恵袋おばさんが登場するパターンが多かったです。
チャレンジビデオコーナー: 視聴者からの映像を募集・紹介。三谷幸喜氏の学生時代の作品が放送されたことがあります。
ミュージックビデオ: 洋楽PVや怪物ランドの楽曲PV。主に時間調整に使われました。
なつコマリクエスト: 懐かしいCMをリクエストで紹介。後期は松本小雪の後ろで赤星が全身タイツでパフォーマンスするスタイルになりました。
予告編: 映画や新番組の予告編パロディ。多くのネタがありましたが、予告編止まりでした。
募集のお知らせ: 政府広報や募集広告の形式を用いたパロディ。ユニークな募集内容に視聴者から応募もありました。
MYポエム: 詩や格言を解説するコーナー。
子泣きジジィ出没: 赤星が演じる子泣き爺が街に出没。決め台詞と共に強烈な印象を残し、実写版『ゲゲゲの鬼太郎』でも赤星が同役を演じるきっかけとなりました。
だってお友達になりたかったんだモン: 平光演じるミスターフレンドマンがおせっかいで迷惑をかけるコント。最後に決め台詞を叫びます。
ロックスターヒストリー: ロックアーティストに扮して寸劇。
今週のヤな野郎!!: 松本小雪が嫌な人物を演じるコント。
有栖川ライブ: 公開録画コントやライブ。
外苑東通りの狼: ハードボイルド風コント。社会への不満を小さな行動で示し、最後に物を破壊するというシュールな内容でした。
ウンチクくん: 『美味しんぼ』パロディ。
夜の少年ドラマバロム・I: 特撮『バロム・1』パロディ。「合体」でバロム・Iとなり、「シックス！」と叫ぶ。

スタッフと楽曲

構成には後に活躍する川崎良氏や清水東氏らが名を連ねています。音楽は高橋進氏。オープニング・エンディング曲はジャズの「イン・ザ・ムード」のテクノポップアレンジで、エンディングには赤ちゃんの泣き声が特徴的でした。怪物ランドのオリジナル楽曲も番組内で披露されました。

放送と影響

一部地方局でもネットされましたが、広島ホームテレビでは「血液型封建時代ヘモグロビンショック」というコントの表現が差別にあたるとして抗議を受け、放送打ち切りに至った出来事がありました。

後継番組と現在

『ウソップランド』終了の翌週、同じ出演者・スタッフによる後継番組『なに．ソレ!?』（1986年4月23日～9月24日）が始まりました。こちらはコントに加え、歌、ダンス、料理など多様な企画を含む番組でした。

現在、番組のDVD化に向けた署名活動が行われています。また、赤星氏が別のテレビ番組で子泣き爺を演じた際、本番組のエンディング効果音が使われるなど、今もその存在は記憶されています。

『ウソップランド』は、怪物ランドならではの視点と表現で、既存の枠にとらわれない深夜バラエティの可能性を追求した番組であり、当時の文化に一定の影響を与えたと言えるでしょう。関連書籍も出版されています。

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