ウソ技

ウソ技（ウソテク）とは

ウソ技、またはウソテクとは、「嘘の技（テクニック）」を指す言葉で、主に1980年代のゲーム雑誌『ファミリーコンピュータMagazine』（通称ファミマガ）の企画に由来しています。この雑誌では、読者参加型の企画「ウソテッククイズ」を通じて、架空の裏技を発表していました。ウソ技は、ゲームに関する「裏技」が「ウル技」と呼ばれるのに対し、意図的に虚構で作られたものであり、多くの人々に親しまれました。

ウソ技の誕生と背景

ウソ技クイズは1986年のファミマガ新年号に特別企画として登場しました。企画の発案は当時の編集長、山本直人さんの発言に起因し、バーでの編集会議中にアイデアとして生まれたとされています。この企画は、他の雑誌に対抗するものではなく、単なるお祭り企画としてスタートしました。ただし、ウル技に関する問い合わせを減らすための対策としても機能していました。

ウソ技の制作プロセス

初期のウソ技クイズは、ゲームメーカーとの協力により特別バージョンのソフトを制作し、その画面写真を使用していました。また、開発中のバグを利用したり、画面を加工して架空のスクリーンを作ることもありました。特に、PC-9800シリーズを基にした凸版システムを用いた画像加工は、リアルな見た目を実現する一因となりました。

このようなウソ技に対する興味は高く、編集部は「1週間後にテレホンサービスで回答する」とのルールを作り、問い合わせを軽減しました。しかし、人気ゲームに関してはメーカーへ多くの問い合わせが行かれ、特に任天堂のスーパーマリオシリーズに対するウソ技が注目されると、任天堂側からの進言でその取り扱いを制限することになりました。出版側はメーカーへの事前連絡を重要視するようになり、クローズドなコミュニケーションが必要とされました。

ウソ技の終焉

ウソ技は次第にファミマガから姿を消していきます。その理由としては、時間とともにウル技への情報流出が増え、ウソ技を挟む必要が薄れたことや、RPGなどのジャンルにおいて自ら裏技を探す魅力が減少したことがあるでしょう。また、1990年代半ばにゲーム界の中心がスーパーファミコンからプレイステーションに移ると、ユーザーの嗜好も変わり、それに伴い雑誌も変化を余儀なくされました。

ウソ技の噂の広がり

ウソ技は、単なる虚構であるにもかかわらず、プレイヤーの期待や誤解により噂として広がりました。その要因は、ゲームの仕様が隠されているための興味を引く要素によるものです。具体的には、そのゲームが有名であること、信憑性があること、魅力的な結果を伴っていることが噂になる条件として考えられます。これらの条件を満たすウソ技が広まり、最終的には開発者にまで影響を与えることがありました。

いくつかのウソ技の例

ゼビウス：破壊不能な敵「バキュラ」を特定の方法で破壊できるとされる噂。
水晶の龍：特定の行動でミニゲームにアクセスできるというもの。
* さんまの名探偵：特定のスコアを達成することで別のゲームに入れるという噂。

ウソ技は、こうした多くのゲームにおいて「真実」とされ、時には後の実装に繋がることもありました。ファミマガの伝説的な企画がどのようにして生まれ、発展し、そして消えていったのか。その過程は、日本のゲーム攻略文化の一部として語り継がれています。

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