水晶の龍

水晶の龍（すいしょうのドラゴン）

1986年12月15日、スクウェア（現在のスクウェア・エニックス）からファミリーコンピュータディスクシステム向けに発売された『水晶の龍』は、同社のDOG（Disk Original Group）ブランドの作品として登場しました。このゲームはコマンド選択式のアドベンチャーゲームで、主にSFをテーマにした壮大なストーリーです。

ストーリーの概要

主人公のヒューはシニアスクールに通う14歳の少年です。彼はガールフレンドのシンシアにシャトルでの宇宙遊泳に誘われ、楽しげな時間を過ごしていました。しかし、突然現れた謎の存在「水晶の龍」により、彼らの生活は一変します。シンシアのシャトルは破壊され、ヒューは強烈な衝撃を受けてしまいます。彼は未知の女性ユージンに助けられ、シンシアと仲間のナイルの行方を追う冒険に出ることになります。

ゲームの内容

ゲームは十字キーで操作し、画面上のアイコンを使ってさまざまな行動を選択します。行動は9種類あり、それぞれ異なるアイコンで示されています。これにより、プレイヤーはアイテムの取得や調査、会話などを行うことができます。アイテムの確認や操作も可能で、プレイヤーが自由に冒険を進められる作りとなっています。しかし、ゲームの進行中にリセットボタンを押すと、ゲームスタート直後のシーンに戻るため注意が必要です。

キャラクターたち

• - ヒュー・ルーカス: 本作の主人公で、運動能力と機械の扱いに長けた少年。
• - シンシア・レクセリアス: ヒューの良き友人で、緑の星の王女。
• - ナイル・アジャンダ: ヒューの親友で超能力を持つ。
• - ユージン: ヒューを助ける謎の女性通行人。
• - おばば: 街外れにいる科学者で、本名は不明。
• - ルシア: 危機に瀕したアリアス星の女王。
• - バヌーガ: 邪悪な意識体で、ゲームの最終ボスとなる。
• - トモちゃん: 女性アイドルグループのメンバーで、ゲームにゲスト出演。

グラフィックと音楽

本作は、当時のスクウェアが得意としていたアニメーションを多く取り入れたビジュアルシーンが特徴です。特に女性キャラクターの描写に注力され、キャラクターデザインは佐藤元が手がけました。また、音楽は植松伸夫によるもので、ゲーム全体の雰囲気を盛り上げています。

評価と反響

ゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』では、読者投票による評価が14.88点と高得点を獲得しました。特に、キャラクターの魅力やグラフィックの美しさが評価された一方で、ストーリーに無理がある点や操作性のもどかしさが指摘されています。また、当時の裏技としてヒロインとの野球拳の噂が広まり、一時は多くのプレイヤーがこのテクニックを試みました。この噂に関しては、多くの誤解や混乱が生じました。

終わりに

『水晶の龍』は、その独自の世界観とキャラクターたちだけでなく、ゲームとしての操作性やビジュアル、サウンドにおいても高く評価されています。リリースから数十年経った今でも、ゲームファンの間で語り継がれる作品となっており、レトロゲームとしての魅力を持ち続けています。

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