ウダイプル

ウダイプル：湖畔に輝く「ホワイト・シティ」

ウダイプルは、インド北西部のラージャスターン州に位置する都市で、ウダイプル県の行政庁所在地です。アラーヴァリー山脈の南東部、標高約750mの丘陵地にあり、ピチョーラー湖畔に広がっています。この地は、かつてメーワール王国の首都として栄え、その美しい景観から「ホワイト・シティ」とも称されます。

歴史

16世紀、ムガル帝国の侵攻に対し、メーワール王国は頑強な抵抗を続けました。メーワール王ウダイ・シング2世は、ムガル皇帝アクバルへの服属を拒否し、1567年に首都チットールガルが包囲される事態となります。激しい攻防戦の末、翌年チットールガルは陥落しましたが、ウダイ・シング2世は落ち延び、新たな都を建設しました。これが現在のウダイプルです。ウダイプルの名は、ウダイ・シング2世の名に由来し、「ウダイの都市」を意味します。

ウダイプルは山に囲まれた土地柄を生かし、川を堰き止めてピチョーラー湖やファテー・サーガル湖などの人造湖が築かれました。これらの湖は連結しており、水量調節も行われています。この湖灌漑システムは、ウダイプルの繁栄を支える重要な役割を果たしました。

ウダイ・シング2世の息子であるプラタープ・シングは、父の意志を継ぎ、ムガル帝国への抵抗を続けました。ハルディーガーティーの戦いでは、メーワール軍は奮戦し、帝国軍を一時混乱に陥れるも、最終的にはアラーヴァリー山脈へと撤退しました。プラタープ・シングは、チットールガル奪還への復讐を誓い、ゲリラ戦術を用いてムガル軍に対抗し、最終的にメーワールの大部分を取り戻すことに成功しました。彼のゲリラ戦術は、後の武将たちにも受け継がれました。

その後、英領下でも同藩王国の主都として存続し、メーワール王国の歴代君主たちは、ピチョーラー湖を見下ろす宮殿を中心に、歴史的建造物を建設し、「東洋のベニス」とも呼ばれる美しい街並みを形成しました。現在では、ラージャスターン州南部の行政、商業の中心地となっています。

気候

ウダイプルの気候は、非常に暑い夏、モンスーン期間、そしてやや涼しい冬の3つの季節に分けられます。夏は高温多湿で、気温が40度近くまで上昇します。モンスーン期間には、毎日のように激しい雨が降ります。冬は比較的過ごしやすく、20度前後の気温で、観光に適しています。

名所

ウダイプルには、歴史的な宮殿や寺院、庭園など、多くの観光スポットがあります。

シティ・パレス（マハーラーナー宮殿）： ウダイプル建設時に建てられた宮殿で、メーワール王（マハーラーナー）の壮大な王宮が今も残っています。
タージ レイク パレス（ジャグニワース宮殿）： ピチョーラー湖の中の小島に建てられた白亜の宮殿ホテルで、その美しさは格別です。
モンスーン・パレス（サジャンガル宮殿）： 山頂に建てられた宮殿で、かつてはモンスーン観測に使用されました。
バコーレ・キー・ハーヴェリー： かつて首相の邸宅だった建物で、現在は博物館として公開されており、伝統的な品々や舞踊ショーなどを楽しめます。
ジャグマンディル宮殿： ピチョーラー湖の小島に建てられた宮殿で、王族の避暑地として使用されました。
ジャグディーシュ寺院： ウダイプル最大のヒンドゥー寺院で、美しい彫刻が施されています。
ロークカラマンダル博物館： ラジャスタンの伝統芸能である操り人形劇の博物館です。
サヘーリヨーン・キー・バーリー（侍女達の庭園）： 王族の女性たちがピクニックを楽しんだ庭園で、美しい噴水や花々が見どころです。
アハール慰霊碑： ウダイプル王家の墓域で、チャトリーと呼ばれるドーム型の建築物が見られます。近くのアハール博物館では、インダス文明の出土品や仏像などが展示されています。

交通

航空： ウダイプル空港があり、インド国内線が就航しています。
鉄道： ウダイプル・シティ駅があり、主要都市と接続しています。
道路： NH8号線でジャイプルやムンバイとつながっています。


ウダイプルは、その美しい景観と豊かな歴史、文化が融合した魅力的な都市です。ぜひ訪れて、その魅力を体験してください。

もう一度検索