ジャイプル

ジャイプル

ジャイプル（ヒンディー語: जयपुर、英語: Jaipur）は、インドのラージャスターン州に位置する州都で、デリーから南西へ約260kmの距離にあります。この都市は、2010年のデータによれば305万人の人口を有し、世界で112番目、国内では11番目の規模を誇ります。ジャイプルは、約10kmにわたる赤い城壁に囲まれた地域で、そのピンク色の建物から「ピンク・シティー」とも呼ばれています。

気候

ジャイプルは、ケッペンの気候区分においてステップ気候（BSh）に該当します。乾燥した気候が特徴で、季節ごとの温度変化が大きく、特に夏は非常に暑くなります。

歴史

ジャイプルの歴史は、1727年11月18日に始まります。ラージプートの有力氏族であるカチワーハー家の当主、サワーイー・ジャイ・シング2世によって建設が決定されました。建設前は、約11km離れたアンベールが王国の中心でしたが、人口増や水不足から遷都が必要となりました。ジャイプルの名前は「ジャイの町」を意味し、ジャイ・シング2世に由来します。「プル」は「城壁で囲まれた町」という意味であり、当時の町は高さ6m、総延長10kmの城壁で守られており、7つの門が設けられていました。

当時、ジャイプール藩王国の藩王は、イギリス領インド時代にも自治権を持ちながら、一定の税金を支払い、イギリスに対して従属する形態を取っていました。このため、デリーやアーグラーなどのムガル帝国の直轄地に比べ、インド的な文化が色濃く残っています。1876年にはヴィクトリア女王の息子アルバート王子が訪れ、都市の建物がピンクに塗られるきっかけとなりました。この出来事が現在の「ピンク・シティー」の景観を形成しています。2020年にはバッタの大群が市内に押し寄せるという異常事態も発生しました。

経済

ジャイプルはラージャスターン州の経済の中心地として様々な産業が発展しています。1989年にはジャイプル証券取引所が設立され、地域経済の活性化に寄与しています。また、宝石や貴金属の産業が盛んで、特に伝統的なジュエリー製作で知られています。

スポーツ

クリケットはジャイプルで非常に人気のあるスポーツで、特にインディアン・プレミアリーグ（IPL）のラージャスターン・ロイヤルズが有名です。これまで、2008年の開幕シーズンに優勝した経験もあります。ホームスタジアムのサワイ・マンシン・スタジアムは、クリケット・ワールドカップの会場にもなりました。ラージャスターン・ロイヤルズの資産価値は2022年に10億ドルと評価され、北米のプロスポーツリーグに匹敵します。

交通

ジャイプルにはジャイプル国際空港があり、国際便に加え、重要な都市への接続があります。鉄道ではジャイプル・ジャンクション駅が主要な拠点で、長距離列車が多く運行されています。また、地下鉄の整備も進んでおり、2015年には最初の区間が開通しました。

バスはシンディー・キャンプというターミナルから長距離バスが発着しており、重要な州間高速道路にも接続しています。

観光名所

ジャイプルには多くの観光名所があります。シティ・パレス、ハワー・マハル、ジャンタル・マンタルなどが有名であり、特にジャンタル・マンタルは世界遺産に登録されています。2019年には「ラージャスターン州の旧ジャイプール旧市街」として正式に世界遺産に登録され、建築や都市計画における価値が称賛されています。都市の魅力が詰まったジャイプルは、訪れる者にユニークな体験を提供します。

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