ウッドレイクの戦い

ウッドレイクの戦い：ダコタ戦争終結への転換点

ウッドレイクの戦い（Battle of Wood Lake）は、1862年9月にミネソタ州で起きたダコタ・スー族の反乱、いわゆるダコタ戦争を収束させた重要な戦闘です。8月中旬から始まったこの反乱は、アメリカ人開拓者や民兵に大きな被害をもたらしましたが、9月下旬にはその勢いが衰え始めました。この状況を受け、ミネソタ州軍はアレクサンダー・ラムジー州知事の策定した作戦を実行に移し、反乱の鎮圧を目指しました。

背景

ラムジー知事の作戦は、インディアンに捕らえられている開拓者の解放と、ダコタ・スー族を「永久に州内から」追放、または絶滅させるというものでした。この作戦の指揮は、ヘンリー・ヘイスティングス・シブレー大佐とフロンティアの指揮官チャールズ・ユージーン・フランドローに委ねられました。

シブレー大佐は、スー族が次第に戦争に疲弊してくると考え、9月初旬にはリトルクロウ酋長との和平交渉を模索しました。リトルクロウ酋長は、インディアンが戦争を始めた理由を説明し、捕虜の件について交渉する意思を示唆しましたが、シブレー大佐はこれを拒否し、リトルクロウ酋長の降伏を要求しました。この結果、交渉は決裂し、戦闘が不可避となりました。

シブレー大佐率いる1,400名の兵士はスネリング砦を出発し、約9日かけてリッジリー砦に到着しました。しかし、シブレー大佐の動きは遅く、開拓者たちから批判を浴びました。セントクラウドの新聞編集者ジェイン・グレイ・スイスヘルムは、「シブレーには葬儀屋の助手を付けて、スー族との戦いには『生きている』男を付けてくれ」と痛烈に批判しました。この遅延の原因は、新兵の経験不足や、銃、弾薬、馬といった物資の不足でした。

戦闘の経過

9月19日、ミネソタ州軍はミネソタ川の渓谷を遡る行軍を開始しました。部隊はローンツリー湖（別名バトル湖）の東に宿営しました。シブレー大佐の案内人は、この湖をウッド湖と誤認しましたが、実際のウッド湖はそこから約5.6km西に位置していました。部隊の配置は、第3連隊がクリークの南の尾根に、第6連隊が湖の隣に、第7連隊がクリークの谷の右岸に展開し、全ての部隊と輜重隊、砲兵隊は塹壕で囲まれました。

リトルクロウ酋長は、アメリカ軍の行軍を待ち伏せし、部隊が細長く伸びて防御が手薄になった時に攻撃する計画を立てていました。翌朝、第3連隊の兵士数名が荷車でアッパー・スー族代理機関から食料を調達しに出発しましたが、その一部がリトルクロウ酋長の戦士が潜む草むらに直接向かってしまい、戦闘が開始されました。この攻撃に、第3連隊の古参兵やレンビル・レンジャーズが援護に駆けつけ、両軍は激戦を繰り広げました。

シブレー大佐はウィリアム・R・マーシャル大佐に6個中隊と大砲1門を率いさせ、インディアンの右翼を攻撃させました。また、ロバート・N・マクラーレン少佐は湖を迂回し、側面攻撃を試みる敵部隊を撃破しました。約2時間に及ぶ戦闘で、スー族のマンケイトー酋長が戦死しました。

戦闘の結果と影響

ウッドレイクの戦いは、アメリカ軍の決定的勝利に終わり、スー族に大きな損害を与えました。この勝利によって、シブレー大佐は准将に昇進しました。スー族は多くの戦士を失い、マンケイトー酋長も戦死したため、この戦闘はダコタ戦争における最後の重要な戦闘となりました。戦後、和平を求める酋長の影響力が増し、スー族が捕らえていたアメリカ人の解放につながりました。

キャンプ・レリースでは多くのインディアンが降伏し、約400名が捕虜となりました。そのうち393名が裁判にかけられ、303名が死刑を宣告されましたが、エイブラハム・リンカーン大統領によって処刑者の数は39名に減らされました。最終的に、1862年12月26日、ミネソタ州マンケイトーで38名のスー族が処刑され、これはアメリカ史における1回の処刑数としては最大となりました。

ダコタ戦争では、推定で500人の白人、民兵、市民が殺害されました。

参加部隊

この戦闘には、ミネソタ州の第3、第6、第7、第9、第10歩兵連隊、レンビル・レンジャーズ、6ポンド砲を持った砲兵隊が参加しました。ダコタ戦争中、部隊は結成順に派遣され、中隊や分遣隊が別の連隊に追加されることもありました。

この戦いは、ダコタ戦争の終結への大きな転換点となり、アメリカ合衆国と先住民の関係における重要な歴史的出来事として記憶されています。

もう一度検索