ウド (装甲騎兵ボトムズ)

ウドの街：装甲騎兵ボトムズの舞台

ウドはテレビアニメ『装甲騎兵ボトムズ』の前半に登場する、架空の惑星メルキアにある街です。主人公キリコ・キュービィーがメルキア軍から脱走した後、様々な人々が集まる吹き溜まりのような場所に流れ着きます。この街は、もともとギルガメスの主星であるメルキアのローラシル大陸の中心部に位置し、過去には精密機械の原材料であるヂヂリウムの産地として知られていました。かつては繁栄していた工業地帯でしたが、百年戦争の終息を迎え、敵国バララントの攻撃により壊滅します。

街の歴史と過去の繁栄

ウドが繁栄していた時代は、工業地帯として多くの雇用を生み出していました。しかし、百年戦争の末期にはバララント軍の攻撃の目標となり、衛星軌道からのミサイル攻撃によって街とその周辺は完全に破壊され、結果として不毛の大地へと変貌しました。環境は劣悪となり、赤い酸の雨が降るような状況が続きました。この影響で多くの人々が命を落とし、生き残った者たちが集まる街となったのです。

新たに形成されたウドは、戦争で家族を失った難民たちが押し寄せ、急ごしらえの街として機能し始めます。住民の中には軍を退いた者やならず者が多く、治安が急速に悪化しました。そんなウドには、墜落した宇宙戦艦が最下層に突き刺さっており、30年以上経過してもその残骸は取り除かれていません。

治安警察と無法状態

ウドでは、暴走族や犯罪行為が日常であり、自警組織としての治安警察が存在しますが、彼らは形だけの存在で、実質的には自己保身のみを考える職業にあぶれた元軍人たちで構成されています。警察は市民の保護には無関心で、むしろ犯罪者と結託して恐喝を繰り返す状況が横行しています。このため、ウドは法治が崩壊した無法地帯となっているのです。

ブーンファミリーの支配

ウドを支配していたのは「ブーンファミリー」と呼ばれる暴走族です。彼らは治安警察と裏で取引し、高価なヂヂリウムを採掘させる一方で、住民を脅かす存在となっていました。脱走者の増加や内部の不満も影響し、ブーンファミリーの支配は揺らぎます。最終的には、主人公キリコの活躍によってブーンファミリーは崩壊し、街は再び混乱に陥ります。

バトリング興行とパーフェクトソルジャー

ウドではバトリングという賭け試合も人気で、元軍人たちがAT（アーマードトルーパー）に乗り、戦う様子は町の人々に刺激を与えています。しかし、治安警察の介入により、バトリングも次第に減少していきます。また、新署長イスクイは「パーフェクトソルジャー」計画に携わり、実験を続けていましたが、計画は思わぬ形で破綻を迎えます。

ウドの崩壊とその後

アストラギウス歴7214年2月、メルキア軍の介入を受け、ウドは最終的に崩壊しました。街は火薬庫への引火による大爆発で多くの犠牲者を出し、すべての機能を失ってしまいます。その後のOVA『幻影篇』の時代に至るまで、ウドは復興を遂げ、かつての名残を残しながら新たな形で機能しています。

ゲーム内でのウド

ウドはプレイステーションゲーム『装甲騎兵ボトムズ ライトニングスラッシュ』の初期舞台でもあり、プレイヤーが街を訪れることで物語は進行します。ゲームを通じて、ウド周辺の問題を体験することができるでしょう。

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