ウドー音楽事務所

ウドー音楽事務所

ウドー音楽事務所は、日本の音楽興行を担う企業として、1967年に有働誠次郎氏の手によって産声を上げました。当初は「有働音楽事務所」として設立され、東京都港区に本社機能を置いています。また、西日本の活動拠点として、1972年には大阪市に別法人として「大阪ウドー音楽事務所」が設立されました。

会社の歩みは、戦後の日本の音楽業界とともにありました。創業当初は、ナイトクラブや米軍基地内に設けられたクラブなどでパフォーマンスを行うバンドやシンガーの招聘を主な事業としていました。しかし、1972年を境に事業の方向性を大きく転換。ロック音楽に特化したプロモーターとしての道を切り拓き、日本の音楽シーンに新たな風を吹き込みます。この時期から、エリック・クラプトン、ボブ・ディラン、イーグルス、ビリー・ジョエルといった、当時まだ日本では馴染みの薄かった世界的なロックアーティストたちを初めて国内に招へいし、多くの音楽ファンに本場のサウンドを届けました。

その活動の中でも特に記憶に残る出来事として、1991年に実現したエリック・クラプトンと元ビートルズのジョージ・ハリスンによるジョイント公演が挙げられます。この歴史的な共演は、日本国内でのみ開催され、両アーティストのファンにとって特別な瞬間となりました。

また、音楽文化への深い関与を示すエピソードとして、1999年にロンドンのクリスティーズで行われたエリック・クラプトンのギターチャリティオークションへの参加があります。薬物依存症のリハビリ施設「CROSSROADS CENTRE」支援を目的としたこのオークションに対し、ウドー音楽事務所はチャリティの趣旨に深く賛同。総額約19万ドルを投じ、クラプトンの愛用したギター3本を取得しました。これらのギターには、1956年製のフェンダー・ストラトキャスター、1992年製のフェンダー・テレキャスター40周年記念モデル（カスタムショップ製）、そして1960年製のギブソン・ES-330Tが含まれており、音楽史における貴重な遺産への敬意とチャリティ精神を示しました。

組織体制にも変化がありました。長らく東京と大阪で活動していた有働音楽事務所と大阪ウドー音楽事務所は、連携を強化するため2021年4月に合併。現在の「ウドー音楽事務所」として一体的な運営体制へと移行しました。そして2023年、長年にわたり日本の音楽界を牽引してきた創業者、有働誠次郎氏が享年92歳で永眠されました。

関連事業としては、メディアとの連携も図られています。2021年6月7日にはラジオ放送局InterFM897（interfm）への資本参加が実現し、同局を通じて自身が主催または後援するコンサートのプロモーションを積極的に展開しています。このように、ウドー音楽事務所は設立以来、常に日本の洋楽シーンの最前線で活動を続け、国内外のアーティストと日本のリスナーを結ぶ重要な架け橋としての役割を果たしています。

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