ウプサラ大聖堂

ウプサラ大聖堂について

ウプサラ大聖堂（Uppsala domkyrka）は、スウェーデンのウプサルに位置する壮大な教会で、スカンディナヴィア最大の教会建築の一つとされています。118.7メートルの高さと、45メートルの幅を誇るこの大聖堂は、その美しさと歴史的な価値から多くの観光客に愛されています。

歴史的背景

大聖堂の建設は1287年に始まりました。当時、ガムラ・ウプサルから大司教座が移転したことがきっかけとなりましたが、この大きなプロジェクトが完成するまでには1世紀以上の歳月がかかりました。1435年には、大司教オラウス・ラウレンティによって最初の使用が始まったものの、その完成にはさらに時間がかかりました。この大聖堂は、聖ラウレンティウスやスウェーデンの守護聖人である聖エリク、ノルウェーの聖オーラヴに献堂されています。

1702年には大火が発生し、大聖堂は大きく損傷を受けました。その後、1619年頃にルネサンス様式の外観に改修され、建築家カール・ハールレマンの手によってバロック様式の塔が整えられました。さらに、1885年から1893年にかけて行われた改修では、建築家ヘルゴ・ゼッテルバルがフランスのゴシック・リヴァイヴァルスタイルを取り入れ、独特の外観を持つ大聖堂へと生まれ変わらせました。

建築様式

初期の中世のウプサラ大聖堂は、頑丈な煉瓦の壁によるバルチック国際ゴシック様式で建てられていました。大聖堂内部にはネオ・ゴシック的な装飾が施され、中世の遺産を再構築する試みは見られませんでした。外部構造に追加されたセメントの部分は、後に取り除かれ、建物の本来の姿が一部復元されました。中世の時代、周囲の家々は木造や煉瓦造りの平屋や二階建てであり、大聖堂は今よりもさらに大きな存在感を持っていたことでしょう。

興味深いことに、宗教改革前まで大聖堂はウプサル周辺の住民の信仰の中心地ではありませんでした。教会法によって、公的サービスのために取っておかれていたためです。ウプサルには他にも重要な教会が存在し、宗教改革の時期にそれらの教会は壊されました。

戴冠式の場

ウプサラ大聖堂は、歴史的に多くのスウェーデンの王や王妃の戴冠式が行われた場所でもあります。中世から17世紀後半にかけて、多くの戴冠式がここで執り行われ、その後1872年からはストックホルム大聖堂が正式な戴冠式の場所とされました。

著名な埋葬者

大聖堂にはスウェーデンの王や著名な人物が埋葬されています。16世紀のスウェーデン王グスタフ・ヴァーサとその3人の妃、王妃カタジナと一緒に埋葬されたヨハン3世、植物学者カール・フォン・リンネ、科学者オラウス・ルドベック、エマヌエル・スヴェーデンボリ、国際連合事務総長ダグ・ハマーショルドの記念碑、そしてスウェーデンの守護聖人聖エリクなど、多くの歴史的人物の眠る場所です。

大聖堂内部には、ダグ・ハマーショルドの小さな記念碑が置かれており、その中に「私ではなく、私の中の神」と刻まれています。このようにウプサラ大聖堂は、ただの宗教的な拠点ではなく、スウェーデンの歴史と文化の重要な部分を担っている場所となっています。

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