ウミウ

ウミウ（海鵜）

ウミウ（Phalacrocorax capillatus）は、カツオドリ目ウ科ウ属に属する大型の水鳥で、日本をはじめ東アジアの海岸に生息しています。全長は約84-92cmで、翼を広げると133-152cmにも達し、体重は2-3kgです。ウミウの特徴的な外見は、全身が黒く、緑色の光沢がある羽毛で覆われていることです。また、嘴の基部は裸の皮膚が見え、白と黄色の部分が目を引きます。特に夏の間は、頭部や大腿部に白い羽毛が生え、腰に白い斑紋を持つ個体も見られます。幼鳥は主に黒褐色の羽毛を持ち、腹部には白い羽毛を持つことがあります。

生息地と分布

ウミウはロシア南東部、大韓民国、北朝鮮、中国の東部地域、日本の九州以北の海岸に分布しています。日本では局地的に繁殖し、繁殖地の近くでは留鳥として一年中見られます。その他の地域では冬の間の越冬地として南西諸島まで飛来し、海岸で観察されます。

生態

この鳥は、主に岩礁海岸に生息し、食性は動物性で主に魚類を狙います。ウミウは小規模な集団を作り、断崖の隙間に皿状の巣を構築します。この巣は枯れ草や海藻を用いて作られ、5月から7月にかけて1回に4-5個の卵を産む習性があります。雌と雄が互いに交替で抱卵し、その期間は約4週間です。孵化した雛は、約47-60日で巣を離れます。

人間との関わり

ウミウは日本の伝統的な漁法である鵜飼いにも利用されていますが、中国ではより一般的にカワウが使われています。その理由は、ウミウがカワウよりも体が大きいこと及び、中国ではカワウが多く生息しているためです。日本国内では、いくつかの地域がウミウの越冬地や繁殖地として国の天然記念物に指定されています。特に1934年に壁島（山口県）が越冬地に指定されたことや、1945年には照島（福島県）が生息地として指定されたことが挙げられます。また、全国にある鵜飼地のうち、自然に恵まれた茨城県の伊師浜海岸は唯一のウミウの捕獲地点となっており、全国11箇所に供給されています。

まとめ

ウミウはその美しい姿と生態から、多くの人々に親しまれている鳥類です。日本の文化においても重要な役割を果たしており、今後もその生息地の保護が求められています。観察する機会があれば、ぜひその姿を楽しんでください。

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