ウメモドキ

ウメモドキ（梅擬き）

ウメモドキ（学名: Ilex serrata）は、モチノキ科モチノキ属に分類される落葉性の低木です。和名の由来は、その葉がウメの葉に似ていることにあります。別名として「オオバウメモドキ」とも呼ばれ、白い花や実をつける品種は「シロウメモドキ」と呼ばれています。11月8日の誕生花としても知られています。

分布と生育地

ウメモドキは、中国と日本の本州、四国、九州に分布しており、落[[葉広葉樹林]]内で見られます。日本では、湿地や湿った林の中に自生することが多く、特に山間部で見られます。また、庭木としても植栽されており、私たちの身近な場所でも目にすることができます。広島県では吉備高原から中国山地にかけて、兵庫県では六甲山地にも分布しています。しかし、山形県ではレッドリストで絶滅寸前に指定されており、千[[葉県]]では危急種に指定されています。

特徴

ウメモドキは高さ2～3mになる落葉広葉樹の低木で、雌雄異株です。樹皮は灰褐色で滑らか、皮目が目立ちます。一年枝は暗褐色で細く、短毛が密生しています。葉は互生し、長さ3～8cmの楕円形で先端が尖り、葉縁には細かい鋸歯があります。葉の裏には毛が見られます。花期は5～7月で、淡紫色の花を葉の付け根に咲かせます。果実は9月頃から赤く熟し、12月頃に落葉しても枝に残るため、冬に赤い実がよく目立ちます。この赤い実は小鳥にとって大切な食料源となっています。冬芽は小さく、長さ約1mmで、複数の芽鱗に包まれています。葉痕は半円形で、維管束痕が1つあります。

ウメモドキは庭木や公園樹として利用されることが多く、鉢植えや盆栽、生け花にも使われます。観賞の対象となるのは、花よりも赤い果実であり、冬の庭に彩りを添えます。

近縁種

モチノキ属には多くの種が存在し、日本には以下のような近縁種が分布しています。

イヌウメモドキ (Ilex serrata f. argutidens)：葉に毛がない。
フウリンウメモドキ (Ilex geniculata)
オクノフウリンウメモドキ (Ilex geniculata var. glabra)
ミヤマウメモドキ (Ilex nipponica)

その他

ウメモドキは、その美しい赤い実と、冬の風景に映える姿から、多くの人々に親しまれています。自然観察や庭づくりを楽しむ人々にとって、魅力的な植物の一つと言えるでしょう。

参考資料

鈴木庸夫・高橋冬・安延尚文『樹皮と冬芽：四季を通じて樹木を観察する 431種』誠文堂新光社、2014年
平野隆久監修 永岡書店編『樹木ガイドブック』永岡書店、1997年

関連項目

モチノキ属
ツルウメモドキ

外部リンク

ウメモドキ（情報処理推進機構）
ウメモドキ（岡山県樹木図鑑）

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