ウランタイ

ウランタイ（烏蘭泰、満洲語: ᡠᠯᠠᠨᠲᠠᡞ、生年不明 - 1852年）は、清朝後期の軍人であり、字は遠芳と称しました。満州正紅旗の出身です。彼は、ジャハーンギール・ホージャの蜂起鎮圧のために新疆に派遣され、その功績によって名を上げました。

特に火器の扱いに長けていたウランタイは、1847年に広東副都統に任命されました。しかし、1851年に広西省で太平天国の乱が拡大すると、その状況は一変します。ウランタイは出陣を命じられ、緑営の精鋭500人を率いて広西省に赴き、欽差大臣サイシャンガ（賽尚阿）の指揮下に入りました。ところが、清軍内部ではウランタイと広西提督の向栄との関係が極めて悪く、軍の連携は著しく阻害されていました。

向栄、秦定三、そしてウランタイの三者が武宣で太平天国軍を包囲しましたが、その間に象州が太平天国軍によって奪われるという失態を犯してしまいます。ウランタイは直ちに象州中坪に拠っていた太平天国軍を攻撃し、千人以上の敵兵を討ち取る戦果を挙げました。秋になると、太平天国軍が桂平新墟に拠点を移したため、ウランタイは四方から攻撃を仕掛け、莫村では一日で七度の勝利を収め、数千の敵兵を斬り伏せました。

その後、太平天国軍は永安を陥落させました。向栄が北路を、ウランタイは南路を担当して攻撃を行うことになりましたが、両者の意見が対立し、戦闘は長期化しました。1852年2月、太平天国軍は永安を放棄して桂林へ向かいました。ウランタイはこれを追撃しましたが、険しい道と雨によって、総兵4人が戦死するという大きな損害を被りました。

追撃戦を続けるウランタイは、ついに桂林城外の将軍橋で銃撃を受け、その傷が原因で20日後に息を引き取りました。ウランタイの死は、太平天国の乱における清朝の苦戦を象徴する出来事の一つとして、歴史に刻まれています。

ウランタイは、その軍事的才能と勇猛さから、清朝の中興を担う人材として期待されていましたが、不運にも戦場で命を落としました。彼の最期は、当時の清朝が直面していた混乱と苦難を物語るものでした。特に、内部の不和が軍事作戦に与える悪影響は、現代においても教訓として捉えることができます。

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