ウルグアイの鉄道

ウルグアイの鉄道網：現状と課題

ウルグアイ共和国における鉄道は、国土の広さに比して必ずしも発達しているとは言えず、その歴史と現状は複雑に絡み合っています。本稿では、ウルグアイの鉄道網の現状、運行状況、車両、そして隣国との接続状況について詳細に解説します。

軌間と路線

ウルグアイの鉄道は、標準軌（1,435mm）を採用しています。これは、多くのヨーロッパ諸国や日本と同一の軌間であり、国際的な輸送において利点となります。しかし、隣国ブラジルとの国境では軌間が異なり、貨物の積み替えが必要となる点が課題となっています。

2019年時点での路線延長は、運行中の路線が1507.832km、休止中の路線が1327.726kmに及びます。これは国土面積に占める割合としては比較的少ない数値であり、鉄道網の拡充が今後の課題となっています。

運行状況と事業者

ウルグアイ国鉄(Administración de Ferrocarriles del Estado)が主要な鉄道事業者として、旅客輸送を担っています。2019年現在、モンテビデオを起点とする3路線で定期旅客列車が運行されています。主な路線は以下の通りです。

モンテビデオ - ヴェインティシンコ・デ・アゴスト（8月25日）
モンテビデオ - スデュリエルス（エンパルメ・オルモス）
* タクアレンボー - リベラ

これらの路線は、ウルグアイの主要都市を結んでいますが、頻度や利便性については改善の余地があると言えるでしょう。

車両の特徴

ウルグアイの鉄道車両は、その地理的環境と歴史的背景を反映した独特の特徴を持っています。ウルグアイの多くの地域は湿潤パンパであり、線路際に植物が生い茂っています。そのため、列車の窓や車体が植物によって傷つけられるのを防ぐために、多くの旅客車両の窓の外側には金網やアクリル板が設置されています。

また、過去には子供による石投げが問題になった経緯もあり、これも安全対策の一環と言えるでしょう。

現在、主力車両はスウェーデンから輸入されたフィアット製の気動車Y-1です。かつてはアルストム製のディーゼル機関車と、アルゼンチンのフィアット子会社であるMaterfer製の客車の編成が主力でしたが、近年はY-1への置き換えが進んでいるようです。

国際接続

ウルグアイの鉄道は、隣国アルゼンチンとはウルキサ将軍鉄道を通じて接続されています。一方、ブラジルとの接続も存在しますが、軌間の違いによりサンタナ・ド・リヴラメントで貨物の積み替えが必要となっています。この軌間変換の問題は、効率性の向上にとって大きな課題となっています。

まとめと今後の展望

ウルグアイの鉄道網は、歴史的背景や地理的条件、そして隣国との関係性によって複雑な様相を呈しています。運行路線の限られた範囲、車両の老朽化、そしてブラジルとの軌間問題など、克服すべき課題は少なくありません。しかし、近年の経済発展や物流需要の高まりを背景に、鉄道網の近代化や効率化に向けた取り組みが期待されます。今後、ウルグアイ政府による投資や国際協力の拡大によって、より整備された鉄道網が実現することを願ってやみません。

もう一度検索