ウルトラコイン伝説

ウルトラコイン伝説の全貌

バンダイが1989年から1990年にかけて展開した「ウルトラコイン伝説」は、ウルトラシリーズのヒーローや怪獣たちをテーマにした斬新なメダル型玩具シリーズです。このシリーズは、デフォルメされたキャラクターが描かれた合金製のコインとして販売され、当時の子供たちに公然と愛されたアイテムとなりました。

商品概要

「ウルトラコイン伝説」は、1989年から1990年の間に全3弾がリリースされ、定価は97円（税抜き）でした。全国の玩具店やコンビニで入手可能で、どの弾にもそれぞれの特長がありました。コインは銀、金、銅の3色で展開され、パッケージは紙製で、弾ごとに異なるカラーが施されていました。コインにはそれぞれ「金額」と呼ばれるパワー数値が刻まれ、ウルトラヒーローは一律1,000、そのほかは50、100、500のいずれかで表示されていました。

また、コインの裏面にはグー・チョキ・パーのマークが彫られていて、ジャンケン遊びを楽しめる仕組みも取り入れられていました。小学館の「月刊コロコロコミック」とのタイアップにより、漫画『ウルトラ怪獣かっとび!ランド』内にもこの商品が登場し、ユーザーの興味を引きました。

設定とキャラクター

ウルトラコインには特定の設定があり、「ウルトラコインマスター」という超人がそれを作り出したとされています。各コインには彼が宿したウルトラヒーローや怪獣の能力が封じ込まれているという独特の世界観が広がっていました。特に、コイン誕生のストーリーは後に発売されたコレクションファイルにて、絵物語の形式で語られています。

ウルトラコインマスター

この謎の存在は、ウルトラ戦士たちを助けるために重要な役割を果たしました。彼は命ある怪獣を無下に殺すことを嫌い、彼らの力をコインに封じ込めることで、怪獣コインを製作しました。また、ウルトラ戦士の力の一部もコインとして存在し、そのコインは地球に隠されたのです。彼の姿は後に絵物語で描かれましたが、正体はウルトラマンキングだとされています。

ブラックコインマスター

対照的に「ブラックコインマスター」はウルトラコインマスターの敵で、怪獣たちを操る力を持つ存在でした。彼もまた、商品としてはリリースされていませんが、その能力によりウルトラの母を倒すほどの力を備えていました。

各弾の特徴

第1弾

第1弾では、ウルトラマン、ウルトラセブン、ウルトラマンタロウなど、全12体のキャラクターが登場しました。カラーバリエーションは金、銀、銅の3種類があり、バリエーション豊富なコインでした。

第2弾

第2弾では全13種類がラインナップされ、レアコインとしてウルトラの母が登場しました。このレアコインは直径が他のコインよりも少し大きく、特別感が強調されていました。また、新たに4番目の色として黒が登場し、この黒いコインは「ブラックコイン」と呼ばれ、悪のウィルスに侵されているという設定がありました。

第3弾

第3弾も全13種類の展開で、レアコインにはウルトラの父が選ばれ、レリーフの深さが特徴的でした。さらに、特捜チームのメカ、ジェットビートルやウルトラホーク1号が初めてコイン化されたことも注目されました。

最後に、全3弾のコインを収納できるコレクションファイルも同時に販売され、さらなる人気を博しました。しかし、キャラクター人気投票の結果やファンの期待にもかかわらず、このシリーズはここで終了となります。

ウルトラコイン伝説は、単なる玩具シリーズを超えて、ウルトラシリーズの愛好者にとっての文化的なアイコンとなったのです。

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