絵物語

絵物語とは

絵物語は、挿絵の比率が非常に高い小説の一形態であり、紙芝居を本に移植したもの、絵本の文章量が増えたもの、漫画の絵と文が分離したものなど、様々な要素が組み合わさったものと捉えられます。これらのジャンルとの境界は曖昧で、作品によっては連載中に形式が変化することもあります。

歴史

「絵物語」という言葉は、大正時代から使用例が見られますが、第二次世界大戦中には、検閲を避けるために「漫画」の代わりに用いられることもありました。特に戦前戦後に流行し、絵と文を同一作家が担当することが多く、吹き出しが描かれた作品もありました。

その発祥は、紙芝居作家の山川惣治が編集者から提案された「誌上紙芝居」という形式の読み物であるとされています。山川惣治が執筆したものが最初期の作品とされ、1930年代には明確な形で確認できます。

特徴

絵物語作家は、紙芝居作家、イラストレーター、アニメーター、漫画家といった多様な顔を持つことが多いです。代表的な作家としては、山川惣治や小松崎茂が挙げられます。手塚治虫や宮崎駿も絵物語形式の作品を残しています。

絵物語の黄金時代は短期間でしたが、昭和30年代に登場する「劇画」に影響を与えたと言われています。

主な作家と作品

福島鉄次 - 『沙漠の魔王』
永松健夫 - 『黄金バット』
山川惣治 - 『少年ケニヤ』、『少年王者』
小松崎茂 - 『地球SOS』、『大平原児』
酒井七馬 - 『鞍馬小天狗』
武部本一郎 - 『少年ターザン』
伊藤彦造 - 『阿修羅天狗』
島田啓三 - 『冒険ダン吉』
吉田竜夫 - 『少年プロレス王 鉄腕リキヤ』（挿絵）
岡友彦 - 『白虎仮面』
植木金矢 - 『風雲鞍馬秘帖』
梶原一騎 - 『少年プロレス王 鉄腕リキヤ』（ノンクレジット原作）、『新戦艦大和』（原作）
手塚治虫 - 『ハトよ天まで』
宮崎駿 - 『シュナの旅』

関連項目

絵巻物
草双紙
児童[[文学]]
ジュブナイル
ライトノベル
絵本
紙芝居
漫画
サウンドノベル
ビジュアルノベル

外部リンク

* Emonogatari in the Age of Comics, 1948-1957

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