ウルトラボックス

ウルトラボックス（ULTRABOX）

『ウルトラボックス』は、1990年から1992年の間にビクター音楽産業から発行された、PCエンジンCD-ROM2向けのディスクマガジンで、全6号がリリースされました。このシリーズは、当時流行していたCD-ROM技術を駆使したメディアの中で、ゲームと関連情報を組み合わせたユニークな存在です。

創刊と連載企画

初版が創刊されて以降、この雑誌は季刊ペースで新たな号をリリースし、各号には新作ゲームに関する情報や独自のコンテンツが盛り込まれていました。特に印象的だったのは、実写やアニメーションが組み込まれた連載企画です。中でも「クスト」は人気を博し、考古学者が古代文明の謎に迫るストーリーを展開しました。号ごとに物語が続き、最終号には全話の総集編が収録されています。

他にも、デートスポットを紹介する「実用!? デート講座」や、恋愛アドベンチャーゲーム「CLUB UB」が魅力的です。特に「CLUB UB」では、UBガールズと呼ばれる女性キャラクターたちが登場し、毎回新しいストーリーを展開しました。

バラエティ企画

巻頭企画では、ラッシャー木村を起用した「ラッシャー木村の星に願いを！」があり、占いをテーマにしたバラエティ企画を展開しました。さらに、すべての号に共通して設けられた「PCエンジンソフト図鑑」は、その時期にリリースされたすべてのソフトを網羅しており、読者にとって貴重な資料の役割も果たしました。

また「じゃんじゃんボックス」は、読者参加型コーナーで、投稿したイラストや投書の紹介が行われました。最終的にはこのコーナーも「UB ART GALLERY」として再編されました。

各号の内容 (

• - 創刊号: 各ボタンの操作方法から、星座占い、人気アイドルの紹介など多岐にわたり、新作ゲームの情報も盛り込まれました。
• - 第2号: 第一話から続く「クスト」と、横浜を舞台にした恋愛アドベンチャーが掲載され、新しい試みがなされました。
• - 第3号: 持ち味のある多彩なコーナーはそのままに、恋愛アドベンチャーの進展がありました。
• - 第4号: RPGと脱衣系ゲームが新たな題材に取り上げられ、その内容はますます充実していきます。
• - 第5号: すべてのメニューが英字表記になり、国際化の流れも感じさせました。
• - 第6号: コンテンツの集大成として、先代の人気連載を再編集した特集や、雑誌の休刊に向けた告知が行われました。

終焉と影響

『ウルトラボックス』は新たなメディアの可能性を示した歴史的存在ですが、1992年に休刊。これを受けて、多くのファンからの支持を集め、新たなメディアとしてのCD-ROMの重要性が認識されるようになりました。また、同時期に発売された『月刊PCエンジン』とのコラボレーションにより、当時のゲーム文化を反映した多彩なコンテンツが誕生しました。

このように『ウルトラボックス』は、単なるゲームガイドを超えたエンターテインメントメディアとして、今もなおその記憶に残り続けています。

もう一度検索