CD-ROM2

CD-ROM2について

CD-ROM2（シーディーロムロム）は、日本電気ホームエレクトロニクス（NEC）が1988年12月4日に発表した、PCエンジン用の画期的な周辺機器です。また、このシステムを基にしたゲームソフトのプラットフォーム名もCD-ROM2と呼ばれています。この機器は、家庭用ゲーム機として初めて光学ドライブを搭載し、CD-ROMをゲームのソフトウェアとして採用しました。そのためゲーム業界において革新的な変化をもたらしました。海外市場では、TurboGrafx-CD（ターボグラフィックスシーディー）という名前で販売されました。

背景と発売の経緯

CD-ROM2のプロトタイプとなるPCエンジン用CD-ROMユニットは1987年10月に開催された『'87エレクトロニクスショー』で初めて展示されました。このユニットは青い本体を持ち、CD-ROMドライブとインターフェイスユニットが一体化した形状をしていました。デモソフトとして『大通公園殺人事件』が使われました。1988年6月にはプレス向けの発表会が行われ、同年の東京おもちゃショーでは一般公開されました。

商品は『ファイティング・ストリート』や『No・Ri・Ko』といった画期的なローンチタイトルを伴って発売されましたが、当時のPCエンジン本体の価格は24,800円、CD-ROM2は59,800円と、ライバル機に比べて高額であったため初期の普及は厳しかったです。しかし、1989年に入ると、人気タイトルの発売が相次ぎ、次第にその存在感が増していきました。

CD-ROM2のハードウェア

CD-ROM2はPCエンジン本体に接続可能で、特にPCエンジンスーパーグラフィックスには接続アダプタが必要とされました。発売当初はCDプレーヤーが物品税の対象であったため、CD-ROMユニットとインターフェイスユニットを別売りにすることで、価格を抑える戦略が取られました。この結果、CD-ROMユニットは32,800円、インターフェイスユニットは27,000円という価格設定になりました。

システムと機能

CD-ROMというメディアは540MBの記憶容量を持ち、音楽CD同様にCD-DAフォーマットによる音楽再生が可能となりました。これにより、ゲーム内では声優による音声アフレコが収録され、より豊かな表現が可能になったのです。また、CD-ROMは軽量で再プレスも簡単であり、ソフトの量産期間を短縮することに寄与しました。

一方で、PCエンジン本体のメモリ容量に制限があるため、読み込み時間が生じることがデメリットとして挙げられました。CD-ROMドライブの読み取り速度は等速であったため、ロード時間が長くなることがありましたが、開発者たちは工夫を凝らしてこの問題を克服しました。

周辺機器と新モデル

CD-ROM2は、メモリを増強することで2回のバージョンアップを実施しています。スーパーCD-ROM2では1.5MBのSRAMが追加され、アーケードカードではさらに16MBのDRAMが搭載されました。これにより、より高い性能を持つゲームが実現されました。

ソフトウェアと課題

CD-ROM2のゲームソフトは、さまざまな試みと技術革新を通じて開発されましたが、読み込み速度や容量の制約がしばしば障害とされました。開発者たちはそれらの問題を乗り越え、より面白いゲームを提供するために工夫を重ねました。特に、『イースI・II』の開発過程では、データの圧縮やメモリの効率的な使用が求められました。

結論

CD-ROM2は、家庭用ゲーム機としての進化だけでなく、ゲーム開発の新たな可能性を示しました。その特徴的な設計と多機能は、後のゲームプラットフォームへとつながる基盤を築いたのです。多くのファンにとって、CD-ROM2は単なる周辺機器ではなく、ゲーム体験の新たな次元を提供した重要な存在でありました。

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