ウンマ党 (スーダン)

ウンマ党：スーダンの歴史を彩る政党の光と影

ウンマ党（アラビア語：حزب الأمة, Hizb al-Umma）は、スーダンにおいて重要な役割を果たしてきた政党です。その歴史は、独立運動からクーデター、内戦、そして分裂へと、激動の時代を反映しています。

独立運動の先駆けから政権へ

1945年、イスマーイール・アル＝アズハリーによって結成されたウンマ党は、スーダンの独立運動を先導しました。独立時の総選挙で勝利を収め、政権を担うことになります。しかし、その道のりは決して平坦ではありませんでした。

クーデターと政権の変遷

独立から間もない1958年、イブラーヒーム・アブード将軍のクーデターにより政権を奪われます。その後、1961年にはサーディク・アル＝マフディーが党首に就任し、1964年のアブード政権崩壊後には国民統一党と連立政権を樹立しました。しかし、1969年にはモハメド・アン＝ヌメイリによるクーデターが発生し、再び政権を失うことになります。

1985年、スワル・エル＝ダハブがヌメイリを追放すると、ウンマ党は選挙で勝利し、1986年から1989年までマフディ内閣が成立しました。しかし、世俗主義を掲げながらも、政権時には第二次スーダン内戦を推進し、シャリーアを維持するという矛盾を抱えていました。

分裂と混迷の時代

オマル・アル＝バシール准将のクーデターにより政党が禁止されると、ウンマ党は国民民主同盟に加わります。しかし、バシール政権の取り込み工作などにより、ムバーラク・アル＝ファーディル・アル＝マフディーなどが分派し、2008年現在では5派に分裂し、それぞれが正統性を主張する状況となっています。

主流派は、マフディー内閣時の元内相でサーディク・アル＝マフディーの従兄弟にあたるムバーラク・アル＝ファーディル・アル＝マフディーが率いる改革刷新派です。また、別の従兄弟であるアル＝サーディク・アル＝ハッジ・アル＝マフディー博士は総指導部派を率い、国民会議と協力関係にあります。さらに、ウンマ連邦党のアフマド・バービキル・ナハールは、元教育相であり、環境・郊外開発相を務めています。

ウンマ党の現状と展望

ウンマ党は、その長い歴史の中で、スーダンの政治に大きな影響を与えてきました。しかし、度重なるクーデターや内戦、そして分裂により、その勢力は大きく衰退しています。現在、複数の派閥が存在し、それぞれが異なる政治的立場をとっています。今後のウンマ党が、スーダンの政治においてどのような役割を果たすのか、注目されます。

外部リンク

* Sudan Umma Party（アラビア語）（英語）

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