ウード (ラーンガウ伯)

ウード（ラーンガウ伯）について

ウード（Udo, Graf im Lahngau, fl.860年 - 879年）は、9世紀にラーンガウ伯として活躍した人物です。彼はコンラディン家のラーンガウ伯ゲープハルトの息子として生まれました。861年の文書には、ウードとその兄弟が、当時の有力者であったセネシャル・アダラール1世の「近親者」として記録されています。

生涯

ウードの父ゲープハルトは、東フランク王ルートヴィヒ2世と良好な関係を築いていました。しかし、ウードとその兄弟は、王に対する陰謀に加担したため、西フランク王シャルル2世のもとへ逃亡せざるを得なくなりました。ルートヴィヒ2世は、レーゲンスブルク議会においてウードらの領地を没収。その後、ルートヴィヒとロタール2世の同盟により、ウードらは親戚のアダラール1世のいる中王国へ赴きますが、最終的にはそこを去ることを余儀なくされました。

アダラール1世は、西フランク王妃エルマントルドの母方の叔父であったため、ウードらを西フランクの宮廷まで安全に保護することができました。シャルル2世はウードらに領地を与えましたが、865年、ウードらはノルマン人との戦いにおける失敗が原因でおそらく王の支持を失いました。その後、ルートヴィヒ2世の息子であるルートヴィヒ3世が、西フランクに逃亡したウードらに連絡を取り、地位と領地の復帰を約束しました。

876年にルートヴィヒ2世が死去した後、ルートヴィヒ3世はその約束を守ったようです。879年には、東フランクのヴェスターヴァルトにある聖セウェルス修道院の創建書簡に、ウードとその兄弟らが、ウードの父とともに記録されています。これが、ウードらに関する現存する最後の記録となっています。

研究により、オルレアン伯ウードがウードらの父方の祖父であることが示唆されています。この説が正しければ、オルレアン伯ウードの娘であった西フランク王妃エルマントルドは、ウード（とその兄弟）の叔母にあたります。また、アダラール1世は、ウードの祖母インゲルトルート（オルレアン伯ウードの妻）の兄弟として、ウードらの大叔父にあたることになります。この関係性が、ウードがアダラールの近親者として認識され、西フランク宮廷で受け入れられた理由を裏付けていると考えられます。

結婚と子女

ウードは、ヴェルフ家のオセール伯コンラート1世の娘と結婚し、西フランク宮廷とのつながりをさらに強化しました。この結婚を通じて、ウードはサン＝ジェルマン修道院長ユーグの義兄弟、ロベール豪胆公の妃アデライードの婿、東フランク王妃エンマの義理の甥となりました。また、この結婚によって、ヴェルフ家に伝わるコンラートおよびルドルフという名がウードの家系に受け継がれ、東フランクおよび神聖ローマ帝国の王族の名として用いられるようになりました。

ウードには、以下の息子がいました。

コンラート（906年没） - 上ラーンガウ伯
エーバーハルト（939年没） - 下ラーンガウ伯
ゲープハルト（910年没） - ロートリンゲン公
ルドルフ（908年没） - ヴュルツブルク司教

これらの息子たちは、それぞれ重要な地位に就き、その子孫もまた、歴史に名を残しています。



参考文献
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Stein, Friedrich (1879). Geschichte des Königs Konrad I. von Franken und seines Hauses
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Hlawitschka, Eduard (2006). Die Ahnen der hochmittelalterlichen deutschen Könige, Kaiser und ihrer Gemahlinnen. Ein kommentiertes Tafelwerk, 2 Teile in einem Band
Schwennicke, Detlev (2005). Europäische Stammtafeln. Band I.1 , Tafel 8.
Friese, Alfred (1979). Studien zur Herrschaftsgeschichte des fränkischen Adels. Der mainländisch-thüringische Raum vom 7. bis 11. Jahrhundert (Geschichte und Gesellschaft, Bochumer historische Studien, Band 18).
* Jackman, Donald C. (2010). “Die Ahnentafeln der frühesten deutschen Könige”. Herold-Jahrbuch. Neue Folge. 15. Band. pp. 47–67

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