ウード (西フランク王)

ウードの生涯と功績

ウード（Eudes、852年以降 - 898年1月3日）は、西フランク国王として知られる重要な歴史的人物です。彼は885年から886年にかけて、ノルマン人によるパリの包囲を撃退したことで名を馳せました。

幼少期と家系

ウードはネウストリア侯ロベール・ル・フォールと、トゥール伯ユーグの娘アデライードの間に生まれました。家系としては、彼の弟に後のロベール1世がいます。また、彼の母の姉妹であるエルマンガルドは皇帝ロタール1世と結婚しており、ベルトはパリ伯ジェラール2世の妻となっています。こうした家系の背景は、ウードの生涯における政治的な立場を強化する要因となったと言えるでしょう。

侯位の相続とパリ伯となるまで

865年に父が亡くなった後、ウードはネウストリア侯の地位を受け継ぎましたが、カロリング朝のシャルル2世によって868年にその地位を剥奪されてしまいました。その後、882年か883年にサン＝ジェルマン修道院の院長ユーグの承認とパリ司教ゴズランの支持を得て、ようやくパリ伯の地位につくことができました。

884年には、カルロマン2世の死に伴い、ウードはトゥール伯、ブロワ伯、アンジェ伯の地位も獲得し、886年には聖マルタン修道院長の地位も回復しました。これにより、彼は西フランク王国の政治において重要な役割を果たし始めます。

ノルマン人との戦い

ウードは885年から886年にかけて、冬の間にノルマン人によるパリの包囲を撃退しました。この戦いは、彼の軍事的な手腕が試される重要な出来事となり、彼の名声を高めました。888年2月、シャルル2世が廃位された後、彼は領邦諸侯や司教たちに支持されて西フランク王の座に就きました。彼は特にカロリング一族以外で初めて王となったことで、歴史上の重要人物となりました。

政治的な混乱と彼の死

王位に就いてからは、ウードはヴァイキングとの戦いを続け、アルゴンヌのモンフォーコンで敵を打ち破るなど、活発な政治活動を展開しました。しかし、彼の支配は決して安定したものではありませんでした。シャルル2世の子、シャルル（後にシャルル3世となる）は893年に聖別され、彼を支持する勢力との対立が深まりました。894年になると、東フランク王アルヌルフもシャルルへの支持を表明し、ウードの立場は厳しくなりました。

その後、ウードはシャルルにセーヌ北部を譲渡し、次の王に彼を指名することで、争いを収めることに成功しました。このように、彼の治世は内部の対立によって影を落としました。

死と埋葬

898年1月1日、ウードはピカルディのラ・フェールで亡くなり、サン＝ドニ大聖堂に埋葬されました。彼はテオドラード・ド・トロワと結婚しましたが、残念ながら子供たちは皆早逝してしまいました。

ウードはその生涯を通じて、フランスの歴史に大きな足跡を残しました。彼の治世は、多くの政治的混乱や戦闘があったものの、歴史の中で特異な存在として語り継がれています。

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