エアキャップ

エアキャップ（AerCap）

エアキャップ（AerCap）は、アイルランドに本社を構える世界有数の航空機リース専門企業です。航空業界において重要な役割を果たしており、その事業規模は世界的に知られています。同社はニューヨーク証券取引所に上場しており、グローバルな金融市場での存在感も示しています。

事業概要

エアキャップの主要な事業は、世界中の航空会社に対し、多様な航空機をリース契約に基づいて提供することです。2019年時点では、約90カ国にわたる200社以上の顧客に対し、合計で1300機を超える航空機をリースしていました。これにより、航空会社は多額の初期投資を抑えつつ、必要な機材を柔軟に導入することが可能となります。

ILFC買収による規模拡大

エアキャップの歴史において、特に重要な転換点となったのが、アメリカン・インターナショナル・グループ（AIG）が所有していたインターナショナル・リース・ファイナンス・コーポレーション（ILFC）の買収です。

この買収に関する合意は、2013年12月16日に発表されました。そして、約半年後の2014年5月14日に買収手続きが完了したことが公表されました。買収の条件は、現金30億米ドルに加え、エアキャップが新たに発行した普通株式97,560,976株を対価とするもので、買収総額はおよそ76億米ドルに達しました。

ILFCは当時、航空機リース業界における主要プレイヤーの一つであり、その買収はエアキャップの事業規模と市場シェアを飛躍的に拡大させる結果をもたらしました。この取引の結果、AIGはエアキャップの発行済み株式の46%を保有する主要株主となりました。

保有機材構成（2019年時点）

2019年時点で、エアキャップが保有し、リースまたは発注していた航空機は合計1340機に上ります。その内訳は、世界の主要な航空機メーカーであるエアバス社およびボーイング社製の多岐にわたる機種で構成されています。主な保有機材は以下の通りでした。

エアバス機
A319: 96機
A320: 185機
A321: 69機
A320neo型機ファミリー: 270機
A330-200: 49機
A330-300: 33機
A350型機ファミリー: 26機

ボーイング機
ボーイング737 ネクストジェネレーション（737NG）ファミリー: 291機
ボーイング737MAX ファミリー: 104機
ボーイング777型機ファミリー: 50機
ボーイング787-8型機: 22機
ボーイング787-9型機: 95機

エンブラエル機
E-Jet E2型機ファミリー: 50機

これらの多様な機材構成により、エアキャップは短距離・中距離・長距離路線に対応する幅広いニーズを持つ航空会社に対し、最適なリースソリューションを提供しています。

エアキャップは、大規模な保有機材とグローバルな顧客基盤を武器に、世界の航空輸送の発展に不可欠な役割を果たし続けています。

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