エアデール・テリア

エアデール・テリアの魅力と特性

概要

エアデール・テリアは、イギリスのヨークシャー地方にあるエアデール渓谷が発祥のテリア種の犬です。この犬種は、「水のテリア」と呼ばれることもあり、特に川でのカワウソ猟に優れた能力を持っています。そのため、エアデール・テリアはサイズ的にテリア種の中で最も大きく、肩の高さが56cmから62cm、体重は23kgから32kgに達します。これらの特性から、「テリアの王様」とも称されています。

外観

毛質

エアデール・テリアの被毛は、外側が硬い針金状のトップコートで、内側には柔らかいアンダーコートがあります。この特性により、脱毛が少なく、手入れもクリッピングナイフを使った方法で行います。毛色については、茶褐色や橙褐色の頭部、耳、脚に加えて、躯幹の鞍状部が黒色または黒鉄灰色であることが求められています。

尾

通常、尾は出生から5日後に短く切断されますが、これは必須ではありません。アメリカでは尾が短くされる傾向がありますが、イギリスでは傷を負った場合を除いて切断は禁止されています。

口

エアデール・テリアは、鋏状咬合が標準です。特にその歯は他のテリアに比べて大きいのが特徴です。

気質

エアデール・テリアは、多才な犬であり、猟犬としても優れた能力を持っています。動物を追い回す能力や、獲物を捕える際の特性にも恵まれていますが、時には気難しく頑固な面も見受けられます。

健康と寿命

この犬種は、股関節形成不全のリスクがあるものの、遺伝性疾患には比較的少ないです。ただし、皮膚炎にかかることが多く、アレルギーや不適切な食事が影響を与える可能性があります。平均的な寿命は約12年ですが、17年生きた例も報告されています。

歴史

エアデール・テリアは、19世紀中頃、労働者層がカワウソ猟用にオッターハウンドと古いタイプのテリアを交配させて誕生しました。当初の名前は「ビングレー」や「ウォーターサイド・テリア」でしたが、1878年に現在のエアデール・テリアに改名され、1886年にはイギリス・ケネルクラブに正式認定されました。

この犬種は、歴史的に猟犬として、他の犬種と共に獲物を追い詰める役割を果たしてきました。特にエアデール・テリアは、その身体能力から、様々な環境での狩猟活動を行うことが求められました。

現代における役割

第一次世界大戦では、エアデール・テリアが通信や負傷者発見の役割を担い、戦場でその勇敢さを発揮しました。戦後、アメリカではその人気が高まり、いくつかの歴代大統領がこの犬を飼っていました。アメリカケネルクラブによる調査では、一時期110犬種中20位にランクされるなど、非常に人気がありましたが、現在は少し人気が低下しています。

日本でのエアデール・テリア

日本では、エアデール・テリアは警察犬に採用されており、動物介在教育の一環として学校に登校する例もあります。また、有名な俳優や女優が飼う犬種としても注目されています。ドラマや漫画にも登場し、多くの人々に愛されています。

このように、エアデール・テリアは、その魅力だけでなく、役割や能力の多様性から、多くの人々に親しまれている犬種です。

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