エアバンド

エアバンド（航空無線）とは

エアバンド（AIR BAND）とは、航空機と空港や航空会社などの地上施設が無線通信を行う際に使用される電波の周波数帯域のことです。航空無線機そのものを指す場合もあります。また、エアバンドを受信機で傍受して楽しむ趣味を持つ人々をエアバンドリスナー、その行為をエアバンドリスニングと呼びます。

概要

エアバンドは、空港の駐機場、誘導路、滑走路といった地上経路から、飛行中の航空機に至るまで、あらゆる航空機と、それらを交通整理する航空管制機関、そして各航空会社が情報交換を行うための無線周波数帯です。航空無線の受信については、各国で対応が異なり、軍事機密の関係から無線機の所持が違法となる国（中国や北朝鮮など）もあります。特に中国では、このような自由は認められていません。

日本では、エアバンドリスニングは受信自体は合法ですが、通信の存在や内容を漏洩したり、大音量のスピーカーで放送・公開したり、窃用したりすることは電波法で禁じられています。ただし、電波法の規定は「特定の相手に対して行われる通信」を対象とするため、空港から各航空機へ一方的に送信されるATIS（飛行場情報放送）は守秘義務の対象外です。ATISで送信される気象情報や滑走路の状況などの情報は、自由に利用できます。

エアバンドの受信機器は一般に広く販売されており、受信も比較的容易であることから、幅広い年齢層に親しまれています。

受信機

エアバンドを受信するためには、広帯域受信機（ワイドバンドレシーバー）や専用のエアバンドレシーバーに、専用のアンテナを接続し、周波数を合わせる必要があります。電波型式はAM（振幅変調）で、周波数ステップは25kHz（割り当て上は8.33kHz）です。108～136MHzの範囲を受信できる受信機であれば使用可能です。なお、108～118MHzはVOR（超短波全方向式無線標識）の周波数帯であり、音声通信は118～136MHzで行われます。

受信機には、固定機、車載機（モービル機）、携帯機（ハンディー機）などがあり、使用場所、機能、価格などに応じて選択します。また、アマチュア無線機の受信周波数を改造してエアバンドを受信する人もいますが、最近のモービル機やハンディー機には、広帯域受信機能が内蔵されている機種も多いです。ただし、その場合は設定できる電波型式が限られていることがあります。

アンテナには、ディスコーンアンテナ、GPアンテナ、八木アンテナ、対数周期アンテナ（ログペリオディックアンテナ）、ホイップアンテナなど、様々な種類があります。

特殊な受信方法

昔は、市販のFMラジオ放送受信機の同調回路のコイルのインダクタンスを変更して周波数を拡張する方法や、最近では、一部のワンセグチューナーとソフトウェア無線（SDR）ソフトをパソコンで利用して受信する方法など、特殊な受信方法も存在します。

脚注

関連項目
航空交通管制
航空通信士
航空無線通信士
外部リンク
航空管制官公式 エアバンドを聞いてみよう - 国土交通省航空局

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