エア・ウォーター

エア・ウォーター株式会社：事業概要と沿革

エア・ウォーター株式会社は、大阪市に本社を置く、日本を代表する産業ガスメーカーです。2000年4月に大同ほくさんと共同酸素が合併して誕生しました。産業ガス事業においては、大陽日酸、日本エア・リキードと並び、国内3大メーカーの一角を担っています。

特徴

エア・ウォーターの特色は、積極的なM&Aによる事業の多角化と、最終消費者に近い分野への進出です。産業ガスにとどまらず、医療、農業・食品、エネルギー、物流、海水関連など、幅広い分野で事業を展開しています。

事業概要

産業ガス関連事業 (21.9%)：産業ガス、ガス発生装置、ガスアプリケーション機器などを提供。
医療関連事業 (22.0%)：受託滅菌、SPD（院内物流管理）、病院設備工事、医療機器、医療ガスなどを扱っています。
ケミカル関連事業 (4.4%)：基礎化学品、炭素材、タール蒸留品などを扱っています。
農業・食品関連事業 (15.7%)：ハム・ソーセージ、冷凍食品、農産物、飲料、菓子など、食卓に身近な製品を提供。
エネルギー関連事業 (6.9%)：LPガス、灯油、天然ガスなどを供給。
物流関連事業 (6.6%)：物流、流通倉庫、車体架装などを展開。
海水関連事業 (5.2%)：業務用塩、人工海水などを製造。
その他の事業 (17.3%)：防災・減災関連製品、エコロッカ（人工再生木材）、マグネシア事業、エアゾール事業などを展開。

※（ ）内は事業別売上高構成比

沿革

エア・ウォーターのルーツは、以下の企業に遡ります。

ほくさん：1929年設立の北海酸素株式会社が前身。1966年に株式会社ほくさんに商号変更。1993年に大同酸素と合併。
大同酸素：1933年設立。1983年に米国エア・プロダクツと資本提携。1993年にほくさんと合併。
共同酸素：1962年設立。1996年に大阪証券取引所（現東京証券取引所）に上場。2000年に大同ほくさんと合併。

2000年の合併により、大同ほくさんを存続会社として、共同酸素と合併し、エア・ウォーターが誕生しました。

合併後の主な沿革

2002年：住金ケミカルに資本参加。
2003年：川重防災工業（現エア・ウォーター防災）に資本参加。東京エアゾル化学などを合併し、エア・ウォーター・ゾルを設立。
2006年：タテホ化学工業を完全子会社化。
2007年：エア・ウォーター防災を完全子会社化。日本海水に資本参加。
2009年：相模ハムに資本参加。
2012年：相模ハムを完全子会社化。ゴールドパックを完全子会社化。
2015年：東証二部上場 川崎化成工業に資本参加。
2016年：大同エアプロダクツ・エレクトロニクス株式会社を吸収合併。エア・ウォーター十勝食品を設立。大山ハム株式会社を子会社化。プレシアを完全子会社化。川本産業を子会社化。
2018年：川崎化成工業を完全子会社化。
2019年：登記上本店を札幌事業所から大阪本社に変更。
2023年：北大阪健康医療都市にウェルネス分野の新事業拠点「エア・ウォーター健都」を開所。

主要関係会社

エア・ウォーターは、多数の関係会社を通じて、幅広い事業を展開しています。主要な関係会社としては、エア・ウォーター防災、エア・ウォーター・メディカル、エア・ウォーター炭酸、日本海水、タテホ化学工業、ゴールドパックなどが挙げられます。

製造拠点

全国に製造拠点を展開しており、千歳工場、輪西工場、鹿島工場、宇都宮工場、枚方工場、和歌山工場、加古川工場、防府工場などが主要な拠点です。

地域事業会社

地域に密着した事業展開を行うため、エア・ウォーター北海道、エア・ウォーター東日本、エア・ウォーター西日本などの地域事業会社を設けています。

海外事業拠点

グローバル展開も積極的に行っており、中国、台湾、東南アジア、インド、北米、南米、ヨーロッパなどに事業拠点を有しています。

エア・ウォーターは、産業ガス事業を基盤に、多角的な事業展開を通じて、社会に貢献する企業を目指しています。

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