エイティーンス・ストリート・ギャング

エイティーンス・ストリート・ギャング（18th Street Gang）は、カリフォルニア州ロサンゼルスを拠点とする多民族の国際的な犯罪組織です。別名としてCalle 18、Barrio 18、Mara 18（スペイン語）、そして北米では単に18とも呼ばれています。そのルーツはロサンゼルスのストリートギャングにあり、主に中米やメキシコ系の人々によって構成されています。組織は、米国のみならず中米の国々にも拡大し、広範囲に活動を展開しています。

エルサルバドルでの活動

特にエルサルバドルでは、2010年代に敵対するギャング、マラ・サルバトルチャとの間で激しい抗争を繰り広げ、一般市民を巻き込みながら多数の犠牲者を出しました。この抗争は社会問題化し、エルサルバドル国内の治安を著しく悪化させました。

2019年にナジブ・ブケレが大統領に就任すると、事態は大きく変化します。ブケレ大統領はギャングをテロリストとみなし、大規模な摘発作戦を推進しました。ギャングのメンバーであることを示すタトゥーや第三者からの情報提供を根拠に、司法手続きを経ずに逮捕を可能にするなど、強硬な措置が取られました。その結果、多くのギャングメンバーがテロリスト監禁センター（刑務所）に収容されました。この政策は、ギャング犯罪を抑制する一方で、人権侵害の懸念も引き起こしています。

組織の特徴

エイティーンス・ストリート・ギャングは、その多民族性から、多様な文化背景を持つメンバーで構成されています。メンバーの多くは若年層であり、貧困や家庭環境の問題を抱えていることが多いです。組織は、麻薬取引、恐喝、強盗などの犯罪に関与しており、その活動範囲は広範にわたります。ギャングのメンバーは、しばしば独自のサインやシンボル、タトゥーを用いて結束を強め、縄張りを主張します。

近年の状況

近年、エイティーンス・ストリート・ギャングは、各国の警察や政府による取締りの強化により、以前に比べて勢力が弱まっているとも言われています。しかしながら、ギャングは依然として多くの地域で活動を続けており、社会に深刻な影響を与えています。ギャングの再犯防止や若者の社会復帰を支援する取り組みも進められていますが、根本的な解決には至っていないのが現状です。

参考文献

18th Street Gang in Los Angeles County
BBC News: Gang life tempts Salvador teens
* BBC News: El Salvador swoops on street gang

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