エイト (企業)

株式会社エイト（EIGHT TOOL CO., LTD）

株式会社エイトは、大阪府大阪市に本社を構える、工具の専門メーカーです。「EIGHT」ブランドで知られ、国内唯一の六角棒スパナ専門メーカーとして、その地位を確立しています。エイトの製品は、アメリカNASAのスペースシャトルに搭載された実績も持ち、その品質の高さが国際的にも認められています。

概要

エイトは、素材の選定から加工、熱処理、そして表面処理に至るまで、全ての工程を自社内で一貫して行っています。この一貫生産体制が、高品質な製品を生み出す源泉となっています。また、国産初のトルクスねじ用ボールポイントを商品化したことでも知られています。

スパナの頭部形状は、六角、テーパーヘッド、ボルトキャッチ（ボルト保持機能付き）、ボールポイント、六角いじり止ねじ穴付用、トルクス、トルクスいじり止ねじ穴付用、トルクスボールポイントと、多岐にわたるバリエーションを誇ります。さらに、L型、ナイフ型、ドライバー型、T型といった様々なタイプを取り揃え、あらゆるニーズに対応できる体制を整えています。六角棒スパナの関連商品として、ビットやソケットビットも提供しています。

販売ルートは、輸出が約58%、国内DIYホームセンターが約24%を占めており、残りは卸売となっています。

商品の特徴

エイトのボールポイントは、首部が細くなるため過度なトルクで破損しやすいという弱点を克服し、耐久性を向上させています。創業当初の八百製作所時代にはドライバーを製造していましたが、1965年頃に創業者の八百博一氏が、機械工具商社の担当者から「これからは六角穴付きボルトの時代が来る」という言葉を受け、六角棒スパナ（ヘキサゴンレンチ）の製造に乗り出しました。

材質にもこだわり、発売当初の一般的なSCM435（クロムモリブデン鋼）から、1978年に入社した大西三紀夫氏が1980年にSNCM+V（ニッケルクロムモリブデン鋼にバナジウムを加えた特殊鋼）を採用し、さらなる耐久性の向上を実現しました。1985年頃からは、硬質クロムメッキ処理仕上げのプロジェクトを開始し、製造工程を改善することで、電解メッキで均一なメッキを実現しました。硬質クロムメッキを施すことで、従来品に比べてねじり強度を15%-20%向上させています。さらに、カーボン量を増やし、特定の元素を複数追加することで強度を高めた「エキセレントシリーズ」を開発しました。

ボルトキャッチタイプの製造においては、メッキ処理の前工程であるバレル研磨時に溝周辺がだれることがあるため、その都度溝掃除の追加工程を入れています。

六角棒スパナに特化することで信頼を確立し、特殊工具の受注も獲得しています。「短手側にボールポイント付き」「トルクスとヘキサゴンタイプ」「へ型のレンチ」「長さ1メートルのレンチ」など、オリジナルのレンチを1本からでも受注生産しています。

沿革

1958年：八百製作所を大阪市生野区で個人創業。
1965年：六角棒スパナ製造開始。
1975年：現住所に移転・本社第1工場完成
1977年：ボールポイント六角棒スパナ製造開始。
1978年：本社第2工場完成
1980年：ヤオ金属工業株式会社設立。
1987年：エキセレントシリーズ六角棒スパナ製造発売。
1989年：鳥取第1工場完成。
1990年：鳥取第2工場完成。
1989年：鳥取工場操業開始。
1992年：株式会社エイトに社名変更。
1994年：鳥取第3工場完成
1996年：鳥取工場第1製品倉庫完成
2003年：鳥取工場第2製品倉庫完成
2014年：鳥取新第3工場完成

産業財産権

2011年8月30日現在、以下の商標権および特許権を保有しています。

商標権

国内登録：（登録番号）第5039778号 EIGHT （8類六角棒スパナ）
国内登録：（登録番号）第2201852号 SNCM∞V
国内登録：（登録番号）第2299871号 SNCM-V
外国登録：

特許権

（登録番号）第3446100号 （工具用ホルダー）

参考文献

『生活産業企業年鑑 生産編2010』株式会社家庭日用品新聞社

外部リンク

公式ウェブサイト

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