エイブラハム・リンカーン (空母)

エイブラハム・リンカーン (USS Abraham Lincoln, CVN-72)

エイブラハム・リンカーン（USS Abraham Lincoln, CVN-72）は、アメリカ海軍で運用されるニミッツ級航空母艦の一隻です。この艦名は、アメリカ合衆国の第16代大統領であるエイブラハム・リンカーンに由来しています。リンカーンは、ニミッツ級航空母艦の中でも特に優れた防御能力を持ち、建造当初から満載排水量が10万トンを超えた初の艦として、歴史的意義があります。

艦歴

建造から就役

エイブラハム・リンカーンの建造契約は1982年に締結され、1984年に造船が開始されました。そして、1988年に進水し、1989年に正式に就役しました。

1990年代の活動

リンカーンの最初の配備は1991年に行われ、砂漠の楯や砂漠の嵐作戦に参加しました。1991年にはフィリピンのピナトゥボ山が噴火した際には、避難作戦オペレーション・ファイアリー・ヴィジルにも参加し、23隻の艦船を率いて45,000人の避難民を安全に救出しました。これは平和時における最大規模の避難作戦の一つとされています。

その後もリンカーンはペルシャ湾に向かい、砂漠の嵐作戦の支援活動や国連の人道支援計画に従事し、モガディシュ上空で警備飛行を行いました。また、1993年には女性飛行士を乗艦させる予定でしたが、悲劇的な事故が起こりました。

2000年代の展開

2000年にリンカーンは5回目の配備を行い、ペルシャ湾にて再度サザン・ウォッチ作戦の支援に入りました。ここで同艦は海軍部隊勲功章を受章し、アーレイ・バーク賞も獲得しました。2003年にはイラク戦争に参加し、さらに2004年にはスマトラ沖地震の際に迅速に救援活動を展開しました。

2010年代の変革

2011年には長期航海を経てノーフォークに帰還し、核燃料棒交換や近代化改装を行いました。2017年には試験航海を実施し、再び大西洋艦隊に復帰しました。さらに、ハリケーン・イルマによる支援任務にも従事しました。

2020年代の活動

2020年には、294日の洋上展開を経てサンディエゴに入港し、その後新たに第9空母飛行団を迎えました。また、2021年には初の女性航空母艦艦長が就任することが発表されました。

2022年には、オスプレイ視察を行ったり、横須賀基地に入港したりと国際的な交流を深めました。

第9空母航空団

2022年4月時点で、エイブラハム・リンカーンに搭載される第9空母航空団は、複数の飛行隊から構成されています。この航空団は、任務の遂行や訓練を通じて、海軍全体の戦力強化に寄与しています。

総括

エイブラハム・リンカーンは、アメリカ海軍の艦艇の中でも重要な役割を果たしており、その歴史や活動はアメリカ海軍の進歩と成長を象徴しています。

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