エイブリー・ジョンソン

エイブリー・ジョンソンは、1965年生まれのアメリカ出身の元プロバスケットボール選手であり、指導者としても手腕を発揮しました。NBAのサンアントニオ・スパーズなどでポイントガードとして活躍し、引退後はダラス・マーベリックスやニュージャージー・ネッツでヘッドコーチを務めました。

選手時代

5フィート11インチ（約180cm）というNBA選手としては小柄な体格ながら、ジョンソンは優れたリーダーシップとスキルでチームを牽引しました。特にスパーズ時代には、チームメイトのデビッド・ロビンソンから「Little General（小さな将軍）」という愛称で呼ばれ、その存在感を示しました。

1988年のドラフトでは指名されませんでしたが、シアトル・スーパーソニックスを皮切りに、デンバー・ナゲッツ、ヒューストン・ロケッツ、サンアントニオ・スパーズ、ゴールデンステート・ウォリアーズ、ダラス・マーベリックスと、16年間にわたりNBAで活躍しました。中でもスパーズには複数回に渡って在籍し、1999年のNBAファイナル第5戦では、試合を決める重要なシュートを成功させるなど、印象的な活躍を見せました。

ヘッドコーチ時代

2003-04シーズン終了後、ジョンソンはドン・ネルソンの下でマーベリックスの選手兼コーチとなりました。ネルソンから2年間指導を受けた後、2004年10月に現役を引退し、コーチ業に専念。2005年3月には、アシスタントコーチからヘッドコーチに昇格しました。

ヘッドコーチ就任後、ジョンソンはチームを立て直し、2004-05シーズンを16勝2敗で終え、プレイオフでは1回戦でヒューストン・ロケッツを破りました。この功績が評価され、2005年4月には月間最優秀コーチに選ばれました。

2005-06シーズンは、さらに大きな成功を収めました。ジョンソンは2005年11月に再び月間最優秀コーチに選ばれ、NBA史上初の就任後2ヶ月連続受賞者となりました。2006年1月には、ユタ・ジャズを破って50勝一番乗りを達成し、2月にはオールスターゲームのウェスタン・カンファレンスのコーチに選ばれました。3月には、フルシーズンを指揮した最初のシーズンでの最多勝利記録を更新する60勝を達成。マーベリックスはウェスタン・カンファレンスで2位の成績を収め、プレイオフではメンフィス・グリズリーズ、サンアントニオ・スパーズ、フェニックス・サンズを破り、初のNBAファイナルに進出しました。しかし、ファイナルでは2連勝の後、4連敗を喫し、惜しくも優勝を逃しました。このシーズン、ジョンソンは最優秀コーチ賞を受賞しました。

2006-07シーズンは、67勝という素晴らしい成績でカンファレンス第1シードを獲得しましたが、プレーオフでは1回戦でゴールデンステート・ウォリアーズに敗れるという波乱がありました。翌2007-08シーズンも51勝を挙げましたが、プレーオフ1回戦でニューオーリンズ・ホーネッツに敗れ、シーズン後、ヘッドコーチを解任されました。その後、2年間NBA解説者を務め、2009年から2012年までニュージャージー・ネッツのヘッドコーチを務めました。

人物

ヘッドコーチ就任から131試合で100勝を達成し、NBA記録を樹立しました。この記録は後にトム・ティボデューによって更新されました。また、スパーズの通算アシスト記録を持っていましたが、2012年にトニー・パーカーによって更新されました。

エイブリー・ジョンソンは、選手としても指導者としても、NBAに大きな足跡を残した人物です。

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