エウア島

エウア島（ʻEua）は、南太平洋に位置するトンガ王国を構成する主要な島の一つです。トンガの主島であるトンガタプ島の南東およそ40キロメートル沖合に位置しており、面積は87.44平方キロメートルを有します。2016年時点の人口はおよそ5,000人弱でした。行政区分としては、かつてトンガタプ地方に属していましたが、現在は独立したエウア地方の中心を担っています。島の中心地は、港湾施設を備えたオホヌア（'Ohonua）村です。

エウア島は、比較的平坦な他の多くのトンガの島々と異なり、起伏に富んだ丘陵性の地形が特徴です。島内には標高の低い丘が連なり、最高地点はテーモア山で標高312メートル、これに次ぐバイアンギナ山は標高305メートルです。エウア島自体は火山島ではありませんが、環太平洋火山帯の一部である太平洋プレートの境界に近接しており、島のわずか7キロメートル東には水深の深いトンガ海溝が走っています。一方、島の土壌は火山性の堆積物で構成されており、これは約1万年以上前の周辺の火山活動に由来すると考えられています。島内には、巨大な縦穴や洞窟が数多く存在しますが、その大部分はまだ十分に調査されていません。

特筆すべき地理的特徴として、エウア島はトンガ国内で唯一、恒常的に水が流れる「川」と、その川に架かる「橋」が存在する島です。この川は島の中心地であるオホヌア村の近辺で海に注ぎます。オホヌアからツフバイにかけての沿岸部では、海面近くまでサンゴ礁が広がり、多くの小さな潮溜まりが見られます。

トンガの古くからの伝承によれば、エウア島は南の孤島であるアタ島とともに、トンガ諸島の中で最初に神タンガロアによって創造された島であると語られています。

エウア島にはいくつかの村が存在し、その歴史的背景は多様です。島の北部に位置するホウマ、タアンガ、オホヌア、パンガイ、ツフバルといった村々は、古くからこの島に住んでいた住民によって形成されてきました。これに対し、ハアツア村とコロマリエ村は、1863年に南方のアタ島から移住してきた人々によって開かれた村です。また、アンガハ村は、1946年にニウアフォオウ島からの移住者によって設立されました。

島内には、航空交通の拠点としてエウア空港があります。この空港の滑走路はサンゴでできているというユニークな特徴を持っています。

エウア島がヨーロッパ人によって最初に確認されたのは、1643年1月21日のことです。オランダの探検家アベル・タスマンが、隣のトンガタプ島とともに発見しました。タスマンは故国オランダのゼーラント州の都市にちなんで、この島を「ミデルブルグ島」と命名しました。しかし、タスマン自身はエウア島には上陸せず、トンガタプ島のヒヒフォに上陸し、そちらを「アムステルダム島」と名付けています。その後、イギリスの有名な探検家ジェームズ・クックも、1773年にこの島を訪れています。

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