エウドーロス

エウドーロスは、ギリシア神話に登場する英雄であり、その出自は神話的な背景を持つ。

彼の誕生は、青年神ヘルメースとピューラースの娘ポリュメーレーの間に起こった出来事に遡る。ヘルメースは、アルテミスの祭礼の日にポリュメーレーに恋をし、彼女と交わったとされる。この出会いによってエウドーロスが誕生した。

しかし、ポリュメーレーはその後、アクトールの子エケクレースと結婚したため、エウドーロスは祖父であるピューラースによって育てられた。彼は、血筋においては神の血を引く英雄でありながら、人間として成長していく。

エウドーロスは、トロイア戦争において重要な役割を果たす。彼はミュルミドーン勢の武将の一人として、英雄アキレウスに従って戦いに参加した。彼の勇気と指揮能力は、戦場において大いに発揮された。

特に、パトロクロスがアキレウスの鎧を身にまとって戦った際には、エウドーロスはミュルミドーン勢の第2部隊を率いた。この時、彼は兵士たちを鼓舞し、敵に向かって勇敢に戦った。彼のリーダーシップは、ミュルミドーン勢の士気を高め、戦局に大きく貢献した。

エウドーロスの物語は、神と人間の血を引く英雄の運命、そして戦争における勇気と忠誠を描いている。彼は、ギリシア神話の中でも特に魅力的な人物の一人として、後世に語り継がれている。

参考文献：
ホメーロス『イーリアス（下）』松平千秋訳、岩波文庫（1992年）
高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』岩波書店（1960年)

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