エクスプローラー3号

エクスプローラー3号

エクスプローラー3号は、アメリカ合衆国が1958年3月26日にケープカナベラル空軍基地から打ち上げた人工衛星です。エクスプローラー1号の成功を受け、その実験を継続し、宇宙環境のさらなる理解を深めることを目的としていました。

目的と設計

エクスプローラー3号は、エクスプローラー1号とほぼ同じ設計で、同じミッションを遂行しました。主な目的は、宇宙線の観測と流星塵の探知でした。これらの観測データは、宇宙空間の放射線帯や微粒子の分布に関する貴重な情報を提供することを期待されました。

搭載された主な機器は以下の通りです。

ガイガーカウンター: 宇宙線を検知するための装置で、エクスプローラー1号でも使用されました。このデータは、地球周辺の放射線帯の存在を示唆するヴァン・アレン帯の発見に大きく貢献しました。
流星塵探知器: 宇宙空間に存在する微小な流星塵を検出するための装置です。この装置は、宇宙空間における微粒子の分布や速度を測定し、宇宙環境における微粒子の役割を理解するために用いられました。

運用と成果

エクスプローラー3号は、当初4.6ヶ月の運用期間を予定していましたが、軌道減衰により高度が低下し、打ち上げからわずか93日後の1958年6月28日に大気圏に再突入しました。短い運用期間にもかかわらず、エクスプローラー3号は、エクスプローラー1号とともに、宇宙空間の放射線帯（ヴァン・アレン帯）の発見に重要な役割を果たしました。ガイガーカウンターによって取得されたデータは、この放射線帯の存在を初めて直接的に示す証拠となりました。

ヴァン・アレン帯の発見

エクスプローラー3号の観測データは、エクスプローラー1号のデータと合わせて、ヴァン・アレン帯の発見に大きく貢献しました。ヴァン・アレン帯とは、地球の磁場に捕らえられた高エネルギーの荷電粒子が集中している領域で、この発見は、地球周辺の宇宙環境の理解を大きく進展させました。

まとめ

エクスプローラー3号は、その短い運用期間にもかかわらず、宇宙科学における重要な発見に貢献した人工衛星です。エクスプローラー1号の成功を引き継ぎ、宇宙線の観測と流星塵の探知を通じて、宇宙環境の理解を深める上で不可欠な役割を果たしました。特にヴァン・アレン帯の発見は、地球周辺の宇宙環境の研究に大きな影響を与え、後の宇宙探査や宇宙科学の発展に重要な貢献を果たしました。

参考資料

* NSSDC Master Catalog Search Explorer 3

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