エクスマス子爵

エクスマス子爵：歴史と栄光の軌跡

エクスマス子爵は、イギリスの貴族の称号であり、その歴史は、18世紀から19世紀にかけて活躍したイギリス海軍の英雄、エドワード・ペリューに始まります。本記事では、エクスマス子爵の成立から現代に至るまでの歴史、歴代当主の足跡、そして彼らが保持する爵位について詳しく解説します。

エクスマス子爵の創設

エクスマス子爵の初代当主は、エドワード・ペリュー(1757-1833)です。彼は、アメリカ独立戦争、フランス革命戦争、ナポレオン戦役といった数々の戦役で目覚ましい功績を挙げた軍人でした。特に、座礁した東インド会社の貿易船の乗組員救助の功績により、1796年に準男爵の称号を授けられました。その後も地中海艦隊司令長官として活躍し、1814年にはエクスマス男爵に叙せられます。

ペリューの最大の功績は、1816年のアルジェ砲撃です。彼は英蘭連合艦隊を率いてバーバリ諸国に出撃し、アルジェを砲撃、市内にいたキリスト教徒の奴隷を解放しました。この偉業により、同年、エクスマス子爵の称号を得て、子爵家の初代当主となりました。

爵位の継承

2代子爵ポウノル・ペリュー(1786-1833)は、海軍勤務後、政界に転身し、ローセストン選挙区選出の庶民院議員を務めました。しかし、父の爵位を継承してからわずか11ヶ月で亡くなったため、息子のエドワードが爵位を継承しました。

3代子爵エドワード(1811-1876)には男子がいなかったため、甥のエドワード(4代子爵、1861-1899)が爵位を相続しました。しかし、その息子の5代子爵エドワード(1890-1922)の代で2代子爵の系統が途絶えたため、爵位は遠縁のヘンリー・ペリューに引き継がれました。

ヘンリー(1828-1923)は、1873年にアメリカ合衆国に帰化しており、94歳という高齢で爵位を継承しました。彼が襲爵から半年後に死去したため、長男のチャールズが爵位を相続しました。7代子爵にも子がなかったため、爵位は親族のエドワードが継承し、以降は8代子爵エドワード(1868-1951)の直系男子によって爵位が継承されています。

8代子爵の孫である10代子爵ポール(1940-)は、スペイン政府より母が帯びていたオリアス侯爵の継承を許されました。そのため、彼以降の子爵家当主はスペイン貴族爵位も併せ持つことになりました。彼が2023年現在の子爵家現当主です。

紋章とモットー

エクスマス子爵家の紋章には、二つのモットーが刻まれています。上部には「神こそ我が助け(Deo Adjuvante)」、下部には初代子爵のアルジェ砲撃の功績を称え、「Algiers」の文字が記されています。

現当主の爵位

現当主である第10代エクスマス子爵ポール・ペリューは、以下の爵位を保持しています。

第10代エクスマス子爵
第10代デヴォン州カノンテインのエクスマス男爵
第10代(トレヴェリーの)準男爵
第9代オリアス侯爵（スペイン貴族爵位）

エクスマス子爵家は、イギリスの歴史と深く結びつき、数々の功績を残してきた名門貴族です。その歴史は、現代にも受け継がれ、新たな章を刻み続けています。

歴代当主

初代エクスマス子爵エドワード・ペリュー (1757–1833)
第2代エクスマス子爵ポウノル・ペリュー (1786–1833)
第3代エクスマス子爵エドワード・ペリュー (1811–1876)
第4代エクスマス子爵エドワード・フリートウッド・ジョン・ペリュー (1861–1899)
第5代エクスマス子爵エドワード・アディントン・ハーグレイヴス・ペリュー (1890–1922)
第6代エクスマス子爵ヘンリー・エドワード・ペリュー (1828–1923)
第7代エクスマス子爵チャールズ・アーネスト・ペリュー (1863–1945)
第8代エクスマス子爵エドワード・アーヴィング・ポウノル・ペリュー (1868–1951)
第9代エクスマス子爵ポウノル・アーヴィング・エドワード・ペリュー (1908–1970)
第10代エクスマス子爵ポール・ペリュー (1940- )

法定推定相続人は、現当主の息子エドワード・ペリュー閣下（1978-）です。

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