エクセター公

エクセター公（Duke of Exeter）は、中世イングランド王国において創設された公爵位であり、イングランド南西部に位置するデヴォン州の都市エクセターにその名を由来します。この爵位は、その歴史の中で3度創設され、その度に異なる運命を辿りました。

エクセター公 第1期（1397年）

初代エクセター公となったのは、ジョン・ホランド（1352年 - 1400年）でした。彼はリチャード2世の異父兄という立場にありましたが、エクセター公となってわずか2年後、ヘンリー4世がリチャード2世を破り王位を簒奪したことで、その地位は一変します。ジョン・ホランドはリチャード2世の復位を画策し、ヘンリー4世暗殺を企てますが、計画は露見し、処刑されるという悲劇的な結末を迎えました。これにより、第1期のエクセター公爵位は廃止されることとなりました。

エクセター公 第2期（1416年）

第2期のエクセター公に叙されたのは、トマス・ボーフォート（1377年 - 1426年）でした。彼は、エドワード3世の三男であるランカスター公ジョン・オブ・ゴーントの息子であり、ヘンリー4世の異母弟という血筋にありました。また、彼はイングランド大法官という要職も歴任しました。しかし、トマス・ボーフォートは後継者に恵まれず、子孫を残すことなく亡くなったため、第2期のエクセター公もまた途絶えることとなりました。

エクセター公 第1期（再興、1439年）

エクセター公爵位は、1439年に初代エクセター公ジョン・ホランドの次男であるジョン・ホランド（1395年 - 1447年）によって再興されました。兄が早世したため、家督を継ぐこととなった彼は、従弟にあたるヘンリー5世に忠実に仕え、その名誉を回復しました。そして、父の代に失われたエクセター公爵位の回復に成功したのです。

ヘンリー・ホランド（1430年 - 1475年）

第2代エクセター公となったのは、ジョン・ホランドの息子であるヘンリー・ホランド（1430年 - 1475年）でした。しかし、彼の運命もまた、波乱に満ちたものでした。1461年、彼はエクセター公爵位を剥奪されてしまいます。その後の消息は定かではありませんが、彼がエクセター公の最後の人物となったことで、この爵位は歴史の表舞台から姿を消すこととなりました。

エクセター公という爵位は、イングランドの歴史の中で、政治的な陰謀や王位継承争い、そして人々の運命に翻弄された存在であったと言えるでしょう。

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