エクセター

エクセター：歴史と文化が織りなすイングランド南西部の街

エクセターは、イングランド南西部デヴォン州に位置する人口約12万人の都市です。市内中心部には、緑豊かな芝生に囲まれた荘厳なエクセター大聖堂が鎮座し、市民の憩いの場となっています。また、名門大学であるエクセター大学も存在し、活気ある学術都市としての側面も併せ持っています。

エクセターの歴史：先史時代から現代まで

エクセターの歴史は古く、肥沃な土地と豊富な魚介類に恵まれた川沿いの集落として始まりました。先史時代の遺物発見こそ少ないものの、恵まれた地理的条件から、早期に人が定住していたと考えられます。出土したヘレニズム時代の硬貨は、紀元前250年には地中海地域との交易があったことを示唆しています。

ローマ時代には、イスカ（Isca）という名前の要塞都市として発展しました。西暦55年頃、ローマ軍によって建設された42エーカーの要塞は、第2軍団アウグスタの基地として機能しました。エクセターはIsca Dumnoniorum、近隣のカーリーアンはIsca Augustaと呼ばれ、区別されていました。この時代、トップシャムにも小さな砦が築かれ、両地を結ぶ補給基地の存在も確認されています。

ローマ軍撤退後の5世紀から7世紀にかけての歴史は不明瞭ですが、7世紀にはサクソン人の支配下に置かれました。サクソン人は、以前のブリトン人の居住区を維持し、独自の都市構造を形成しました。

中世以降も、エクセターは発展を続け、現在のような都市へと成長しました。

エクセターの気候と交通

エクセターは、冬は温暖湿潤で、夏は気温変化が激しい気候です。やや内陸にあるため、沿岸部と比較して冬の寒さは厳しく、夏は暖かく乾燥した気候となります。

交通面では、エクセター空港が市内東部に位置し、国内線やアイルランド、ヨーロッパへの国際線も就航しています。鉄道のハブ駅であるエクセターセントデイビッド駅からは、デヴォン州内の各地へ容易にアクセスできます。特に夏期は、デヴォン州内各地への直通列車が多く運行されます。

教育とスポーツ

エクセターには、エクセター大学とその2つのキャンパス、さらにプリマス大学のキャンパスがあります。スポーツ面では、エクセター・シティというサッカークラブやエクセター・クリケットクラブがあり、地域住民のスポーツ文化を支えています。

エクセター侯爵家も有名で、オリンピック金メダリストであるデヴィッド・バーリーもその一族に含まれます。

エクセター出身の著名人

エクセターは、歴史家・スポーツライターのヘンリー・チャドウィック（アメリカ野球殿堂表彰者）、神学者リチャード・フッカー、人気ロックバンドコールドプレイのボーカルであるクリス・マーティン、園芸家のジョン・グールド・ヴィーチなど、多くの著名人を輩出しています。

まとめ

エクセターは、長い歴史と豊かな文化、そして現代的な都市機能を兼ね備えた魅力的な都市です。大聖堂や大学、そして活気ある街並みは、訪れる人々を魅了することでしょう。歴史に興味がある方、静かな環境で過ごしたい方、活気ある街を散策したい方、あらゆる人に魅力的な街と言えるでしょう。

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