エコーズ〜啓示

ピンク・フロイド初の公式ベスト盤『エコーズ〜啓示』

『エコーズ〜啓示』（Echoes - The Best of Pink Floyd）は、2001年に発表されたピンク・フロイド初の公式ベスト・アルバムです。デビュー35周年を記念し、バンドの長きにわたるキャリアを総括する内容となっています。

概要

これまでにもピンク・フロイドの編集盤は存在しましたが、本作はメンバー自身が選曲に参加した初の作品として、特別な意味を持ちます。シド・バレット時代のサイケデリック・ロックから、プログレッシブ・ロック、ロジャー・ウォーターズ主導のコンセプト・アルバム、そしてデヴィッド・ギルモア率いる新生フロイドまで、彼らの音楽性の変遷を網羅しています。

ジェイムズ・ガスリーによる新たな編集が施され、曲間がシームレスに繋がれているのも特徴です。特に、アルバムタイトルにもなっている「エコーズ」は、大胆なカットが加えられています。ギルモアは当初、アルバムタイトルを『サム・オブ・ザ・パーツ』にすることを提案しましたが、ウォーターズの反対により『エコーズ』に決定しました。

DISC 1の1曲目が「天の支配」、DISC 2の最後の曲が「バイク」で終わる構成は、デビュー・アルバム『夜明けの口笛吹き』と同じ配置であり、シド・バレットへの敬意が込められています。また、「ホエン・ザ・タイガー・ブローク・フリー」は、本作でアルバム初収録となりました。

実験音楽色の強い『ウマグマ』や『原子心母』、サウンドトラック盤である『モア』や『雲の影』からの楽曲は収録されていません。

1994年の『対』以来、新作が発表されていなかったにも関わらず、本作は全英・全米チャートで2位を記録する大ヒットとなりました。

収録曲について

本作は、ピンク・フロイドの代表的なベスト・アルバムとしての地位を確立しましたが、過去の編集盤にしか収録されていない貴重な音源も存在します。

ピンク・フロイドの道: 「ユージン、斧に気をつけろ」と「夢に消えるジュリア」のスタジオ録音版
時空の舞踏: 「マネー」の再録音版
* ワークス〜ピンク・フロイドの遺産: 「エンブリオ」のスタジオ録音版

これらの楽曲は、オリジナル・アルバムには収録されていないため、ピンク・フロイドの音楽を深く知る上で貴重な音源と言えるでしょう。

まとめ

『エコーズ〜啓示』は、ピンク・フロイドの35年にわたる音楽活動の集大成であり、彼らの多様な音楽性を体験できる絶好の機会です。ファンはもちろん、これからピンク・フロイドを聴こうとする人にとっても、最適な入門編となるでしょう。

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