エジソン・ファイバード

ファイバード (Fibird) とは

ファイバード（Fibird、朝鮮語:화이버드）は、韓国の自動車メーカー、エジソン・モータース（旧・韓国ファイバー）が製造していた低床バス車両です。2014年に、前モデルのファイバー・プリムスの後継モデルとして発売されました。

車両の特徴

ファイバードの最大の特徴は、車体素材に炭素繊維強化プリプレグ複合素材（CFRP）を採用したことです。この素材は、ガラス繊維とカーボン繊維剤を樹脂に含浸させたもので、135℃以上の高温で成形されます。CFRPを使用することにより、従来の同クラスのバスと比較して約2.5トンの軽量化を達成しました。また、CFRPは火災時の煙や有毒ガスの排出が少なく、炎に強く、衝撃、摩耗、腐食にも強いという特徴があります。デザイン面では、前モデルのプリマスの曲線的な屋根を継承しつつ、前面部と背面部には直線的なデザインが取り入れられました。

モデルの種類

ファイバードには、電気バスとCNGバスの2種類のモデルがありました。しかし、2017年1月にファイバー社がエジソンモータースに買収されたことで、ファイバードの生産体制にも変化が訪れます。そして2021年、エジソン・モーターズが新たに開発したモデル「スマート110」に統合される形で、ファイバードは生産を終了しました。

主な仕様

以下にファイバードの主な仕様を示します。

全長：11,050 mm（日本仕様は11,065 mm）
全幅：2,495 mm
全高：3,360 mm（日本仕様は3,475 mm）
ホイールベース：5,400 mm
トランスミッション：6速オートマチックトランスミッション
最高出力：290馬力/2,200 rpm
形式：GL11P/GX12P（CNG車）

日本国内での運行

ファイバードは、日本国内でも一部で導入されました。日本仕様の車両は、車体に東レ製のカーボンファイバーを、充電池に三菱重工業製の高性能リチウムイオン電池「MLiX」を採用するなど、独自の改良が施されています。

2014年3月には、福岡県の北九州市交通局が日本で初めてファイバードを導入しました。同年4月には、同じ九州地方の薩摩川内市コミュニティバスにも導入されました。しかし、導入された車両は故障が頻発し、両市とも2019年3月にはファイバードの運行を終了しています。

まとめ

ファイバードは、CFRP素材を積極的に採用した先進的なバス車両でした。軽量で安全性が高く、環境性能にも優れていましたが、故障が多発したことが課題でした。現在では生産を終了していますが、その先進的な技術は、今後のバス車両開発に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

関連項目

バス (交通機関)
電気自動車
韓国車

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