エジプト軍最高評議会

エジプト軍最高評議会について

エジプト軍最高評議会（Supreme Council of the Armed Forces、SCAF）とは、エジプトの国防や安全保障に関連する主要な決定を行う組織です。この評議会は、エジプトの軍の幹部18人で構成されており、歴史的に重要な役割を果たしてきました。特に2011年から2013年にかけてのエジプトにおける重大な政治動乱の中で、その影響力は顕著でした。

組織の成立と歴史

エジプト軍最高評議会は、2011年1月25日から始まった大規模な反政府デモに関連して注目を集めました。このデモは、エジプト革命として知られ、国民が政治改革を求める中で大規模な抗議行動が展開されました。これに対し、当時のエジプト大統領、ホスニー・ムバーラクは強硬な治安維持政策を導入しましたが、2月11日に彼は退陣を表明しました。これに伴い、軍最高評議会は彼の権限を引き継ぎ、実権を掌握しました。

その後、評議会は国民の民主化要求に応じ、人民議会を解散し、憲法の停止を宣言しました。また、新しい政府が発足するまでの移行期間として、6ヶ月または次期大統領選挙までの間に権限を移行することを定めました。この期間中、ムハンマド・フセイン・タンターウィーが国家元首としての役割を果たしました。

2011年エジプト革命における動き

エジプト軍最高評議会は革命の中で市民との対話を重視し、反政府デモの中心的な人物たちを招待しました。特に、ワエル・ゴニムやシャーディー・エル＝ガザーリー・ハルブなど、活動的な若者リーダーが参加し、彼らとの協議を通じて新しい政党の結成が促されました。これによって、功績や要望を反映した新しい政権の道筋が作られていきました。

また、軍最高評議会は憲法改正を行うための委員会を設置し、これにより国民に対する約束が果たされる方向性を示しました。デモによって拘束された人々の釈放や、憲法改正に関する国民投票の実施は、国民の期待に応えるための重要なステップでした。

その後の展開

2012年、ムハンマド・ムルシーが大統領に就任すると、エジプト軍最高評議会に対して一定の権限が移譲されました。しかし、2013年には再びクーデターが発生し、ムルシーは拘束され、再び軍の実権が握られることとなりました。この動きは、エジプトの政治状況において重要な変化をもたらしました。

まとめ

エジプト軍最高評議会は、エジプトの歴史において重要な役割を果たしてきた組織であり、改革や民主化の進展に深く関与しています。その動きは国内外で大きな影響を与え、多くの政治的、社会的な変革を引き起こしました。現在でも、この評議会の構成や決定は、エジプトの将来に大きな影響を及ぼす存在として注視されています。

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