エステバン・ジャン

エステバン・ルイス・ジャン（Esteban Luis Yan, 1975年6月22日 - ）は、ドミニカ共和国エル・セイボ州カンピナ出身の元プロ野球選手（投手）。

生い立ちとMLBでの活躍

高校時代にドミニカのカープアカデミーで外野手として野球を始めたジャンは、1990年にアトランタ・ブレーブスと契約しプロ入り。その後、ボルチモア・オリオールズを経て1996年にメジャーデビューを果たしました。1998年にはタンパベイ・デビルレイズに移籍し、2000年には先発としてチーム2位の7勝を記録。同年にはメジャー初打席で本塁打を放つという珍しい記録も打ち立てました。2001年からは抑えに転向し、2年連続で2桁セーブを挙げるなど、リリーフ投手として活躍しました。

その後は、テキサス・レンジャーズ、セントルイス・カージナルス、デトロイト・タイガースなど、複数の球団を渡り歩き、メジャーリーグで実績を積みました。

阪神タイガースでの挑戦

2007年、ジャンは阪神タイガースに入団。推定3億円という破格の契約金は、当時の阪神の新外国人投手としては最高額でした。メジャーでの打撃成績がわずか2打数2安打だったことから、打撃にも期待が寄せられましたが、実際には制球難からボークを連発。5月には1イニング2ボーク、8月にはシーズン12ボークという不名誉な記録を樹立してしまいました。また、ボークの判定直後に打者への危険球を投げるなど、物議を醸す場面もありました。

4月には来日初登板初勝利を挙げるなど、好調な時期もありましたが、度重なるボークや制球難から信頼を失い、同年限りで退団となりました。

阪神退団後と引退

阪神退団後は、ボルチモア・オリオールズ傘下のAAAや、韓国プロ野球のSKワイバーンズでプレーしましたが、メジャー復帰は叶いませんでした。その後は、独立リーグやメキシカンリーグでプレーを続け、2012年に現役を引退しました。

プレースタイルと人物

193cmの長身から投げ下ろす最速158km/hの速球が武器で、ツーシーム、スライダー、カットボール、4種類のフォークボールなど多彩な変化球を操りました。メジャー通算の打撃成績は、3打席で2安打（1本塁打）、1犠打、打率10割という記録が残っています。

詳細情報

年度別投手成績（省略）
記録
初登板・初先発・初勝利：2007年4月3日、対東京ヤクルトスワローズ3回戦（明治神宮野球場）
初奪三振：同上、2回裏にアーロン・ガイエルから空振り三振
初安打：2007年4月3日、対東京ヤクルトスワローズ3回戦（明治神宮野球場）
初打点：2007年5月18日、対横浜ベイスターズ6回戦（阪神甲子園球場）
背番号
43 （1996年）
56 （1997年）
43 （1998年 - 2003年）
59 （2004年 - 2006年）
52 （2006年）
92 （2007年）
53 （2008年）
登場曲
「PA'LO'MEMBERO」Julian Oro Duro（2007年）
* 「交響曲第5番『運命』」ベートーヴェン（2007年）

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