エステル・スタム

エステル・スタム（Esther Stam、1987年3月11日生まれ）は、オランダのズトフェン出身の元柔道選手です。当初は63kg級、後に70kg級で活躍しました。

2002年からヨーロッパカデ63kg級を2連覇し、2003年にはヨーロッパユースオリンピックフェスティバルでも優勝するなど、早くからその才能を発揮しました。ジュニア時代も数々の大会で好成績を収め、2007年にはU23ヨーロッパ選手権で優勝を果たします。

しかし、2008年の北京オリンピックには、国内に世界選手権3位のエリザベト・ウィルボーダスがいたため、出場機会を得られませんでした。2011年のユニバーシアード決勝では、世界選手権2位の田中美衣（日本）と対戦。この試合では、足取りの反則で勝利し優勝を果たしましたが、2012年のロンドンオリンピックも、ウィルボーダスや世界選手権3位のアニカ・ファンエムデンといった強豪が国内にひしめき、再びオリンピック出場の夢は叶いませんでした。

その後、スタムは階級を70kg級に上げますが、オランダ国内には世界選手権3位のキム・ポリングやリンダ・ボルダーといった選手がおり、代表争いは困難を極めました。そのため、2014年にジョージア（当時はグルジア）に国籍を変更し、オリンピック出場を目指すことになります。ちなみに、国内2番手だったボルダーもポリングとの代表争いを避け、2015年にイスラエルに国籍を変更しています。

2016年、スタムはヨーロッパ選手権に出場し、決勝で世界チャンピオンであるフランスのジブリズ・エマヌに敗れたものの、2位入賞を果たし大陸枠でリオデジャネイロオリンピックの出場権を獲得しました。これは、ジョージアの女子柔道選手として史上初のオリンピック出場となりました。しかし、リオ五輪本番では、2回戦でカナダのケリタ・ズパンシックにGS（ゴールデンスコア）の末、指導1で敗れています。

2017年に現役を引退後は、IJF（国際柔道連盟）の放送部門に携わり、Ippon.TVの実況を担当しています。

主な戦績

63kg級
2002年 - ヨーロッパカデ　優勝
2003年 - ヨーロッパユースオリンピックフェスティバル　優勝
2003年 - ヨーロッパカデ　優勝
2007年 - U23ヨーロッパ選手権　優勝
2009年 - ベルギー国際　優勝
2009年 - ワールドカップ・リスボン　優勝
2010年 - ワールドカップ・ワルシャワ　優勝
2011年 - ワールドカップ・ソフィア　優勝
2011年 - グランプリ・バクー　3位
2011年 - ユニバーシアード　優勝
70kg級
2014年 - ヨーロッパオープン・マドリード　優勝
2014年 - グランプリ・ウランバートル　3位
2014年 - グランプリ・アスタナ　3位
2015年 - グランプリ・タシュケント　2位
2016年 - ヨーロッパ選手権　2位

外部リンク

エステル・スタム - JudoInside.com のプロフィール（英語）

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