エッチェッレンツァ

エッチェッレンツァ（Eccellenza）とは

エッチェッレンツァは、イタリアのサッカーリーグにおいて、上から5番目のリーグに相当するカテゴリーです。プロリーグであるセリエA、セリエB、セリエCに次ぎ、アマチュアリーグとしてはセリエDに次ぐ上位リーグとして位置づけられます。また、州リーグとしては国内最高峰であり、地域サッカーにおいて重要な役割を果たしています。

1991-1992シーズンに創設されたエッチェッレンツァは、2021-2022シーズン現在、全36のグループ（girone）で構成されています。このリーグは、19の州に存在し、各州のエッチェッレンツァリーグに1つから3つのグループが存在します。2019-2020シーズンまでは28グループで構成されていましたが、現在はグループ数が増加しています。

昇格について

エッチェッレンツァから、一つ上のリーグであるセリエD（第4部リーグ）へは、毎シーズン36クラブが昇格します。

昇格チームの決定方法は以下の通りです。

各グループの1位クラブ（一部例外あり）：28クラブ
全国プレーオフ（play-off nazionali）の勝者：7クラブ
コッパ・イタリア・ディレッタンティ優勝クラブ：1クラブ

かつては全てのグループの1位クラブがセリエDへ自動昇格していましたが、グループ数増加に伴い、カンパニア州、エミリア＝ロマーニャ州、ラツィオ州、トスカーナ州、リグーリア州、プッリャ州においては、グループ1位クラブの一部が全国プレーオフに回るという例外規定が設けられています。これらの州では、1グループあたりのクラブ数が他の州に比べて少ないため、このような措置が取られています。

全国プレーオフ（play-off nazionali）

各グループの昇格次点クラブ、またはプレーオフ決定戦の勝者が、セリエDへの昇格をかけて、ホーム・アンド・アウェー方式のトーナメントを戦います。このプレーオフには28クラブが出場し、2回勝ち抜いた7クラブがセリエDへの昇格を果たします。試合は、2戦合計スコアが同じ場合、アウェーゴールが多い方が勝ち抜けとなります。それでも決着がつかない場合は、延長戦、PK戦が行われます。

このプレーオフの出場チームを決める方式も、以前は各グループ2位のクラブが出場することになっていましたが、現在では昇格争いを盛り上げるため、「全国プレーオフ出場決定戦」を導入する州が増えています。この決定戦への出場クラブ数は州によって異なり、上位クラブとの勝ち点差が10以上ある場合は出場権を失うなどの規定も存在します。

コッパ・イタリア・ディレッタンティ優勝クラブの昇格枠

コッパ・イタリア・ディレッタンティで優勝したクラブには、セリエDへの昇格資格が与えられます。ただし、この昇格枠にはいくつかの例外があります。

優勝クラブが既にレギュラーシーズンでセリエD昇格を決めている場合、準優勝クラブに昇格枠が与えられます。
決勝進出クラブ両方が既にセリエD昇格を決めている場合、3位決定戦の勝者に昇格枠が与えられます。
ベスト4進出クラブのうち3クラブが既に昇格を決めている場合、残りの1クラブは3位決定戦の結果に関わらず昇格資格を得ます。
ベスト4進出クラブ全てが既に昇格を決めている場合、この昇格枠は消滅します。
優勝クラブが降格条件に当てはまる場合、プロモツィオーネ（第6部リーグ）に降格し、昇格枠は他のクラブに移ります。

コッパ・イタリア・ディレッタンティにはプロモツィオーネのクラブも参加しますが、プロモツィオーネ所属クラブは全国ラウンドに進出できないため、昇格資格を得ることはありません。

降格について

エッチェッレンツァから、一つ下のリーグであるプロモツィオーネ（第6部リーグ）への降格レギュレーションは、州ごとに異なります。多くの場合、各グループの最下位クラブは降格となります。さらに、下から2番目のクラブ以降も降格対象となる場合や、降格プレイアウトを行う場合もあります。降格プレイアウトを導入する州では、下位クラブとの勝ち点差が10以上ある場合に、プレイアウト出場を免れる救済規定もあります。

これらの複雑な規定からもわかるように、エッチェッレンツァは、地域サッカーのレベル向上と、上位リーグへの選手育成を担う重要なリーグと言えます。

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