エティエンヌ・フランソワ・ド・ショワズール

エティエンヌ＝フランソワ・ド・ショワズール公爵：フランス宰相の生涯

エティエンヌ＝フランソワ・ド・ショワズール（1719年6月28日 – 1785年5月8日）は、フランス王国の軍人、外交官、政治家であり、貴族でした。七年戦争期にフランスの実質的な宰相として活躍し、フランス外交に大きな影響を与えました。

生涯

軍人時代

ロレーヌ地方の古い貴族の家柄に生まれました。オーストリア継承戦争に従軍し、各地を転戦。デティンゲンの戦いにも参加しました。1750年には、莫大な財産を持つルイーズ・オノリーヌと結婚し、経済的な基盤を確立しました。

出世

ポンパドゥール夫人の寵愛を得ることに成功し、出世の糸口を掴みます。ローマ大使、ウィーン大使を歴任し、外交官としての才能を発揮。特にウィーン大使時代には、外交革命の一翼を担いました。

実質宰相として

七年戦争勃発後、外務大臣に就任。ポンパドゥール夫人の信頼を得て、実質的な宰相として国政を主導しました。プロイセンを過小評価し、主戦論を主張しましたが、戦況は悪化。家族協定によりスペインを参戦させますが、戦局を好転させるには至りませんでした。

七年戦争終結後も、第一大臣として外交政策を主導。対イギリス戦略を重視し、オーストリアとの同盟を強化しました。その一環として、マリー・アントワネットを皇太子妃としてフランスに迎え入れました。また、海軍力の増強を図りました。

しかし、国内では財政再建に失敗。イエズス会を禁止したことが、王太子ルイとの関係を悪化させました。

晩年

ポンパドゥール夫人の死後、デュ・バリー夫人の台頭により失脚。政敵の策謀もあり、失脚に至りました。隠遁生活を送りながら回想録を執筆し、1785年に死去しました。

多額の借金を残して亡くなったことは、彼の浪費癖を物語っています。

人物

ショワズールは、ヴォルテールと交流があり、フリードリヒ大王との文通を取り次いでいました。また、ルイ15世の秘密外交に悩まされる一面もありました。

評価

ショワズールは、フランス外交に大きな影響を与えた人物として評価されています。しかし、七年戦争における戦略の失敗や、国内の財政問題など、負の側面も存在します。回想録は、当時の政治情勢を知る上で貴重な一次資料となっています。

まとめ

エティエンヌ＝フランソワ・ド・ショワズール公爵は、ポンパドゥール夫人の寵愛を受け、宰相にまで上り詰めた人物です。七年戦争やマリー・アントワネットの婚姻など、フランス史における重要な出来事に関与しました。その栄光と失脚、波乱に満ちた生涯は、今もなお多くの人々の関心を集めています。

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