エテルナ・ルキナ独立国

エテルナ・ルキナ独立国

エテルナ・ルキナ独立国（英: Sovereign State of Aeterna Lucina）は、1995年に消滅したオーストラリアのミクロネーションです。この国は、ドイツ出身のポール・バロン・ノイマンによって1978年に設立されました。ノイマンは当初、シドニー北部のワーリンガー・カウンシル近くで建国を宣言し、初めはバイロンベイ付近の自身の土地を国土としていました。

歴史的背景

建国から移転

1978年に設立されたエテルナ・ルキナは、その後、様々な場所に移転を続けました。1985年にはスノーウィ山近郊に土地を定め、その後1989年には現地放送局が、ノイマンの自宅がエテルナ・ルキナの首都になる計画を報じました。しかし、最終的にはビクトリア州の16km²の土地に移転し、ここを国土と定めました。

法的問題

1990年、ノイマンはビザおよび土地売買に関する詐欺で起訴され、この裁判は彼が1994年に亡くなるまで続きました。これにより彼の国に対する注目が高まり、エテルナ・ルキナの名声も増しました。

王制への移行

1994年、ノイマンが死去した後、アメリカ人のジョセフ・F・カリーが第2代大統領に就任します。1995年には王政への移行が宣言され、「エテルナ王国」として新たに成立しました。この変更により、エテルナ・ルキナはその歴史を閉じました。国名が短縮された理由は不明です。

政治の特徴

エテルナ・ルキナは、憲法や法律を持たず、全てが大統領の指導のもとで行われました。国土内には、50名前後の住民が存在していましたが、全てが「エテルナ・ルキナ国籍」を持つわけではなく、オーストラリアとの「二重国籍」の扱いを受けていました。最高位は「大統領」であり、ノイマンのミドルネームには英語の「男爵」が含まれています。

軍事と外交

エテルナ・ルキナには、戦争用の実質的な軍事力は存在しませんでした。ただし、独自の「独立軍」と称する自警組織が10名の定員で存在していました。1994年当時、この国を国家として承認している国連加盟国は皆無でした。つまり、彼らの主張する後継国であるエテルナ王国も同様に認知されていなかったのです。

オーストラリアとの関係

エテルナ・ルキナはオーストラリアに包囲された形となっていました。そのため、1990年にはオーストラリア内で「組織」として起訴されています。エテルナ・ルキナ国民は全員、オーストラリアとの二重国籍を持つ状況にあり、オーストラリアは多くのミクロネーションを抱える国として知られています。

ドイツからの支持

ノイマンの故郷であるドイツでは、彼を支持する団体が複数存在し、彼らはエテルナ・ルキナを軽視しながら支援していたとされています。彼の故郷からのサポートは、このミクロネーションの不思議な魅力を増す要因となりました。

以上がエテルナ・ルキナ独立国の概略です。この国は一時的な存在でしたが、独自の歴史や文化があり、多くの興味を引く要素を持っていました。

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