エディ・コンスタンティーヌ

エディ・コンスタンティーヌは、1917年にアメリカ・ロサンゼルスで生まれた俳優であり、同時に歌手としても活動しました。本名はエドワード・コンスタンティノフスキーといい、ロシア人のオペラ歌手を父に持ちます。音楽の才能に恵まれ、ハリウッドで映画の歌唱を担当した後、1943年にはニューヨークのラジオシティ・ミュージックホールで歌いました。

1949年、バレリーナと結婚し、フランス・パリに渡ります。そこでエディット・ピアフのオペレッタに出演したことが、彼の運命を大きく変えました。1950年代にはフランスでスターとしての地位を確立し、特にハードボイルドな探偵レミー・コーション役で一世を風靡します。この役はピーター・チェイニイの小説を原作としており、『Cet homme est dangereux』や『左利きのレミー』などのフレンチB級映画で演じられました。

コンスタンティーヌは、その親しみやすい語り口とユーモラスな演技で観客を魅了しました。フランスのみならず、ドイツなどヨーロッパ各地やアフリカでも人気を博し、多くのヒット曲もリリースしました。彼の代表作として知られるのが、ジャン＝リュック・ゴダール監督の『アルファヴィル』です。この作品では、レミー・コーション役をより過激な形で再演し、観客に強烈な印象を与えました。

1960年代後半になると、コンスタンティーヌのフランスでの人気は陰りを見せ始め、彼は活動拠点をドイツに移しました。その後は性格俳優として活躍し、自身のキャリアを真剣に捉えることはなく、あくまで本業は歌手だと考えていたようです。1991年には長尾直樹監督の日本映画『東京の休日』に出演し、同年にはゴダールの実験映画『新ドイツ零年』で最後のレミー役を演じました。また、ラース・フォン・トリアー監督の『ヨーロッパ』にも出演するなど、晩年まで精力的に活動を続けました。

1993年2月25日、ドイツのヴィースバーデンで心筋梗塞により75歳で亡くなりました。エディ・コンスタンティーヌは、その独特な存在感とユーモア溢れる演技で、多くの人々に愛された俳優でした。

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