エディ・ヘイゼル
エディ・ヘイゼル（Eddie "Maggot Brain" Hazel、1950年4月10日 - 1992年12月23日）は、アメリカ合衆国出身のギタリストであり、Pファンク軍団の一員として1970年代前半にその名を馳せました。ニューヨーク市ブルックリンで生まれた彼は、ファンク、ブラックロック創成に深く関わり、音楽史にその名を刻んでいます。
ブルックリンで生まれたヘイゼルでしたが、母グレース・クックはドラッグが蔓延する環境を避け、ニュージャージー州プレインフィールドへ移住します。母が仕事でブルックリンとプレインフィールドを往復する間、ヘイゼルは幼少期に兄から贈られたギターに熱中し、教会で歌うことにも喜びを見出しました。12歳の時には、ギタリスト・ベーシストのビリー・ネルソンと出会い、ドラムを加えたトリオで演奏を始め、モータウンの楽曲を中心に演奏していました。
ドゥーワップグループ、ザ・パーラメンツ（後のパーラメント）を率いるジョージ・クリントンの友人であったビリー・ネルソンは、1966年にギタリストとしてザ・パーラメンツのバックバンドに参加。ネルソンはヘイゼルをバンドに誘い、当時17歳だったヘイゼルは母親の反対を受けつつも、ジョージとネルソンの説得により、1967年からジョージと共に活動を開始します。ヘイゼルの加入により、ネルソンはベーシストに転向。ヘイゼルはツアー先で知り合ったティキ・フルウッドをドラマーに、リズムギターにタウル・ロス、キーボードにバーニー・ウォーレルを迎え入れました。
ザ・パーラメンツは、レヴィロットとの契約上の問題からその名称を使用できず、ファンカデリックとしてウェストバウンドレーベルと1968年に契約し、新たなスタートを切りました。
ヘイゼルのギターは、ジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせる、ファズ、フェイザー、テープエコーなどのエフェクターを多用したハードかつ「黒い」サウンドが特徴でした。このギターサウンドを中心に、ファンカデリックは独自のファンク・ブラックロックミュージックを展開。ヘイゼルはリードギターを担当し、多くの楽曲でボーカル、作曲にも携わりました。ファンカデリックにおける作曲の多くは、母親であるグレース・クック名義となっていますが、これは印税が母親に渡るようにというヘイゼルの配慮によるものでした。
ファンカデリックが1970年に発表したサードアルバム『マゴット・ブレイン Maggot Brain 』に収録された同名タイトル曲は、10分を超えるヘイゼルのギターソロをフィーチャー。スローテンポのギターアルペジオに乗せて、悲しくも激しく高揚するギターソロが縦横無尽に駆け巡ります。この演奏は、ジョージ・クリントンから「今、母親が死んだと思って弾け」という助言を受けて演奏されたと言われています。
1974年発表の6枚目のアルバム『スタンディング・オン・ザ・ヴァージ・オブ・ゲッティング・イット・オン Standing on the Verge of Getting It On 』は、全ての収録曲がヘイゼルの手によるものであり（クレジットはGrace Cook名義）、彼のハードなギターサウンドが前面に押し出された作品となりました。
1974年、ヘイゼルはスチュワーデスへの暴行および薬物不法所持により1年間の懲役を受けます。その間、ジョージ・クリントンは新たにゲイリー・シャイダー、マイケル・ハンプトンをギタリストとして迎え入れました。1975年にヘイゼルがファンカデリックに復帰した時には、既にリードギターの座は奪われており、彼のギターが大きくフィーチャーされることは少なくなってしまいます。
1977年には、Pファンクのメンバーの協力を得て、ソロアルバム『ゲーム・デームス・アンド・ギター・サングス Game, Dames & Guitar Thangs 』を発表。これが生前唯一のソロ作品となりました。1978年にファンカデリック最大のヒット作となるアルバム『ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ One Nation Under A Groove 』が発表されますが、ヘイゼルは本作には参加せず、脱退状態となります。
その後は、時折Pファンク関連の仕事をする以外は音楽シーンから遠ざかり、1992年12月23日、42歳という若さで肝不全により亡くなりました。
主にフェンダー・ストラトキャスターを愛用していました。
ゲーム・デームス・アンド・ギター・サングス (Warner Brothers, 1977)
パープル・ヘイゼル Rest In P (P-Vine, 1994) ※死後発表
* ファンカデリックのアルバムについては、上記本文を参照ください。
生い立ちと音楽との出会い
ブルックリンで生まれたヘイゼルでしたが、母グレース・クックはドラッグが蔓延する環境を避け、ニュージャージー州プレインフィールドへ移住します。母が仕事でブルックリンとプレインフィールドを往復する間、ヘイゼルは幼少期に兄から贈られたギターに熱中し、教会で歌うことにも喜びを見出しました。12歳の時には、ギタリスト・ベーシストのビリー・ネルソンと出会い、ドラムを加えたトリオで演奏を始め、モータウンの楽曲を中心に演奏していました。
パーラメンツ、そしてファンカデリックへ
ドゥーワップグループ、ザ・パーラメンツ（後のパーラメント）を率いるジョージ・クリントンの友人であったビリー・ネルソンは、1966年にギタリストとしてザ・パーラメンツのバックバンドに参加。ネルソンはヘイゼルをバンドに誘い、当時17歳だったヘイゼルは母親の反対を受けつつも、ジョージとネルソンの説得により、1967年からジョージと共に活動を開始します。ヘイゼルの加入により、ネルソンはベーシストに転向。ヘイゼルはツアー先で知り合ったティキ・フルウッドをドラマーに、リズムギターにタウル・ロス、キーボードにバーニー・ウォーレルを迎え入れました。
ザ・パーラメンツは、レヴィロットとの契約上の問題からその名称を使用できず、ファンカデリックとしてウェストバウンドレーベルと1968年に契約し、新たなスタートを切りました。
独特のギターサウンドと音楽性
ヘイゼルのギターは、ジミ・ヘンドリックスを彷彿とさせる、ファズ、フェイザー、テープエコーなどのエフェクターを多用したハードかつ「黒い」サウンドが特徴でした。このギターサウンドを中心に、ファンカデリックは独自のファンク・ブラックロックミュージックを展開。ヘイゼルはリードギターを担当し、多くの楽曲でボーカル、作曲にも携わりました。ファンカデリックにおける作曲の多くは、母親であるグレース・クック名義となっていますが、これは印税が母親に渡るようにというヘイゼルの配慮によるものでした。
ファンカデリックが1970年に発表したサードアルバム『マゴット・ブレイン Maggot Brain 』に収録された同名タイトル曲は、10分を超えるヘイゼルのギターソロをフィーチャー。スローテンポのギターアルペジオに乗せて、悲しくも激しく高揚するギターソロが縦横無尽に駆け巡ります。この演奏は、ジョージ・クリントンから「今、母親が死んだと思って弾け」という助言を受けて演奏されたと言われています。
1974年発表の6枚目のアルバム『スタンディング・オン・ザ・ヴァージ・オブ・ゲッティング・イット・オン Standing on the Verge of Getting It On 』は、全ての収録曲がヘイゼルの手によるものであり（クレジットはGrace Cook名義）、彼のハードなギターサウンドが前面に押し出された作品となりました。
その後
1974年、ヘイゼルはスチュワーデスへの暴行および薬物不法所持により1年間の懲役を受けます。その間、ジョージ・クリントンは新たにゲイリー・シャイダー、マイケル・ハンプトンをギタリストとして迎え入れました。1975年にヘイゼルがファンカデリックに復帰した時には、既にリードギターの座は奪われており、彼のギターが大きくフィーチャーされることは少なくなってしまいます。
1977年には、Pファンクのメンバーの協力を得て、ソロアルバム『ゲーム・デームス・アンド・ギター・サングス Game, Dames & Guitar Thangs 』を発表。これが生前唯一のソロ作品となりました。1978年にファンカデリック最大のヒット作となるアルバム『ワン・ネイション・アンダー・ア・グルーヴ One Nation Under A Groove 』が発表されますが、ヘイゼルは本作には参加せず、脱退状態となります。
その後は、時折Pファンク関連の仕事をする以外は音楽シーンから遠ざかり、1992年12月23日、42歳という若さで肝不全により亡くなりました。
使用楽器
主にフェンダー・ストラトキャスターを愛用していました。
ディスコグラフィー
ゲーム・デームス・アンド・ギター・サングス (Warner Brothers, 1977)
パープル・ヘイゼル Rest In P (P-Vine, 1994) ※死後発表
* ファンカデリックのアルバムについては、上記本文を参照ください。
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