エトセトラブックス

株式会社エトセトラブックスは、フェミニズムの書籍を専門とする日本の出版社・書店です。

歴史

2018年12月、松尾亜紀子によって設立され、2019年2月に活動を開始しました。設立の背景には、2010年頃からSNSを中心に活発化したフェミニズムに関する対話と、独立系出版社の増加がありました。社名は作家の松田青子が考案し、「エトセトラ (etc.)」には、これまで「等々」として扱われてきた多様なフェミニストの声を届けるという思いが込められています。ロゴは福岡南央子がデザインし、描かれた6つの顔は特定の人物ではなく、世の中に存在する多様なフェミニストの象徴とされています。

2019年5月には、フェミニズムをテーマにした雑誌『エトセトラ』を創刊。「コンビニからエロ本がなくなる日」を特集した創刊号は5,000部を売り上げました。その後、年2回（5月と11月）刊行されています。作家、漫画家、芸能人などを編集者として起用し、女性の身体、女性運動、韓国ドラマ、スポーツ、アイドルなど、幅広いテーマを特集しています。森山至貴は、この雑誌を「現在進行形のフェミニズムを知ることができる」と評価しています。

2021年1月、東京都世田谷区代田に書店をオープン。プレオープン期間中には150人以上が来店し、約350冊の書籍が売れました。営業は木曜日から土曜日までの週3日間で、エトセトラブックスの出版物の他、フェミニズム関連の専門書、小説、コミック、児童書、オリジナルグッズなどを販売しています。新刊と古書の両方を取り扱っており、『タイムアウト東京』の「東京、ベストインデペンデント書店15選」にも選ばれました。

出版物

単行本

牧野雅子『痴漢とはなにか』（2019年）
ヴァージニア・ウルフ『ある協会』（2019年）
カルメン・マリア・マチャド『彼女の体とその他の断片』（2020年）
フラワーデモ編『フラワーデモを記録する』（2020年）
笙野頼子『水晶内制度』（2020年）
ベル・フックス『フェミニズムはみんなのもの』（2020年）
カン・ファギル『別の人』（2021年）
ユン・ウンジュ『女の子だから、男の子だからをなくす本』（2021年）
カルメン・マリア・マチャド『イン・ザ・ドリームハウス』（2022年）
ダリア・セレンコ『女の子たちと公的機関』（2023年）
小山さんノートワークショップ編『小山さんノート』（2023年）
柚木麻子『マリはすてきじゃない魔女』（2023年）
テレサ・ソーン『じぶんであるっていいかんじ』（2024年）

雑誌

『エトセトラ』（2019年 - 2023年）

関連項目

田房永子 - 雑誌『エトセトラ』創刊号の責任編集
山内マリコ - 雑誌『エトセトラ』第2号の責任編集
柚木麻子 - 雑誌『エトセトラ』第2号の責任編集
石川優実 - 雑誌『エトセトラ』第4号の責任編集
和田彩花 - 雑誌『エトセトラ』第8号の特集編集

外部リンク

公式ウェブサイト

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