エドゥアルド・ラミレス

エドゥアルド・アントニオ・ソルーザ・ラミレス（Eduardo Antonio Solorza Ramirez）は、1993年 1月17日にメキシコのシナロア州ロスモチスで生まれたプロボクサーです。主にフェザー級で戦い、WBA世界フェザー級暫定王座を獲得するなど、キャリアを通じて数々の激しい試合を経験しました。

キャリアの軌跡

ラミレスは2017年7月10日、サンプソン・リューコイツが率いるサンプソン・ボクシングと契約を結び、本格的にプロの舞台での活動を加速させます。同年9月26日、ラスベガスで行われた試合でレドゥアン・バルセレミーと対戦。この一戦は10ラウンドに及び、採点が三者三様の引き分けという結果に終わりました。このバルセレミーとの対戦は、彼のキャリアにおいて後に重要な意味を持つことになります。

続いて2017年12月9日には、ロンドンでIBF世界フェザー級王者リー・セルビーへの挑戦を予定していました。しかし、前日計量でフェザー級のリミットである126ポンドを2.5ポンド超過する128.5ポンドを計測してしまい、失格扱いとなります。このため、試合はセルビーが勝利すれば防衛となるものの、ラミレスが勝っても王座交代は認められないという変則的な条件で行われました。結果として、ラミレスは12ラウンドを戦い抜いたものの、0-3の判定でセルビーに敗れ、王座獲得のチャンスを逃しました。

2019年3月2日、ニューヨークのバークレイズ・センターで、WBA世界フェザー級1位にランクされていたブライアン・デ・グラシアとWBA世界フェザー級ゴールド王座決定戦を戦います。この試合でラミレスは圧倒的なパフォーマンスを見せ、9回2分10秒でのTKO勝利を収め、ゴールド王座を獲得しました。しかし、同年6月29日にヒューストンで開催された初防衛戦で、元WBA世界フェザー級暫定王者であるクラウディオ・マレロと対戦。12ラウンドの激闘の末、0-3の判定で敗れ、タイトルを失うこととなりました。

再びキャリアを立て直すべく、2019年11月23日にはMGMグランド・ガーデン・アリーナで行われたデオンテイ・ワイルダー対ルイス・オルティスの第2戦の前座に登場します。ここでは、約2年前に引き分けていたレドゥアン・バルセレミーとの再戦が組まれました。この試合は、当初ペイ・パー・ビューのオープニングマッチとして予定されていたルイス・ネリ対エマヌエル・ロドリゲス戦が、ネリの計量失敗により中止となった影響で、急遽PPV放送のオープニングに昇格するという展開がありました。ラミレスはバルセレミーに対し優位に進め、4回2分59秒でTKO勝利を収め、前回の引き分けの雪辱を果たしました。

2020年12月5日、アーリントンのAT&Tスタジアムで行われたWBA世界フェザー級挑戦者決定戦とWBCアメリカ大陸フェザー級王座決定戦に出場。WBA世界フェザー級8位のミゲル・フローレスと対戦し、5回20秒でTKO勝ちを収めました。この勝利により、当時のWBA世界フェザー級正規王者であった徐燦への挑戦権を獲得すると同時に、WBCアメリカ大陸フェザー級王座にも就きました。

そして2021年5月1日、カリフォルニア州カーソンのディグニティ・ヘルス・スポーツ・パークで、WBA世界フェザー級8位のイサック・アヴェラルとのWBA世界フェザー級暫定王座決定戦に臨みます。ラミレスはこの試合で圧倒的な強さを見せ、3回1分6秒での鮮やかなKO勝利を収め、ついにWBA世界フェザー級暫定王座を獲得しました。この試合での彼のファイトマネーは4万ドル（約430万円）でした。

暫定王者となったラミレスでしたが、2021年8月2日、WBAに対して暫定王座を返上する意向を通知し、タイトルを手放しました。

獲得した主なタイトル

WBA世界フェザー級ゴールド王座
WBCアメリカ大陸フェザー級王座
* WBA世界フェザー級暫定王座（防衛0、後に返上）

エドゥアルド・ラミレスは、タイトル獲得と失冠、計量問題、そして劇的な勝利など、波乱に富んだキャリアを送ったボクサーとして知られています。特に暫定王座を獲得したそのKO勝利は、彼のボクシングキャリアにおけるハイライトの一つと言えるでしょう。

もう一度検索