エドゥアール・エリオ

エドゥアール・エリオ（1872年7月5日 – 1957年3月26日）は、フランス第三共和制における急進社会党（急進党）の重鎮であり、卓越した政治家として知られています。彼は3回にわたり首相を務め、フランス政界に大きな足跡を残しました。

生涯

エリオは高等師範学校を卒業後、急進社会党に身を投じ、政治家としての道を歩み始めます。ドレフュス事件においては、エミール・ゾラを擁護する活動をリヨンを中心に展開し、その情熱と信念を示しました。1904年にはリヨン市議会議員に初当選し、地方政治から国政へと活躍の場を広げていきます。

リヨン市長としての職務をこなしながら、エリオは急進社会党のリーダーとして、1924年、1926年、1932年の三度にわたり内閣を組織しました。最初の内閣では、アリスティード・ブリアンと共に、レイモン・ポアンカレが強行したルール問題の収拾に尽力するなど、対独協調政策を推進しました。一方で、ソビエト連邦との外交関係を強化するなど、独自の外交手腕を発揮しました。

その後、社会党や共産党と共に人民戦線に参加し、レオン・ブルム内閣が成立すると、エリオは下院議長に就任し、議会政治の安定に貢献しました。しかし、第二次世界大戦下、ドイツ占領下では沈黙を余儀なくされました。連合国軍がフランスに上陸すると、ヴィシー政権から後継首班を打診されるも、これを断固として拒否し、愛国者としての誇りを示しました。戦後の第四共和政下でも国民議会議長を務め、フランスの復興に尽力しました。

エドゥアール・エリオは、激動の時代において、その卓越した政治手腕と強い信念をもってフランスを導いた政治家として、歴史に名を刻んでいます。

訳書

* E・ヱリオ『ヨーロッパ合衆国』鹿島守之助（訳）1962年　 出版社 鹿島研究所 381p.

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