エドマンド・ロッジ

エドマンド・ロッジの生涯と業績

エドマンド・ロッジ（1756年6月13日 - 1839年1月16日）は、イギリスの著名な紋章官であり、系譜学の専門家として広く認知されています。彼の著作は、紋章学や英国の貴族に関する詳細な記録を提供し、後の研究にも影響を与えました。

生い立ちと初期のキャリア

ロンドンのポーランド・ストリートで生まれたロッジは、聖職者エドマンド・ロッジとその妻メアリーの息子として育ちました。彼は1771年に騎兵少尉として軍に入隊しますが、軍生活は自身には向いていないと判断し、翌年には軍を辞めました。この早期の経験は、後の彼の活動には直接的な影響を与えなかったものの、若年期にさまざまな方向性を模索したことを示しています。

紋章官の道へ

エドマンド・ロッジは1782年にブルーマントル紋章官補に任命され、1793年にはランカスター紋章官に昇進しました。その後も、1822年にはノロイ統括紋章官、1838年にはクラレンス統括紋章官へと地位を上げ、長い間イギリスの紋章学の発展に寄与しました。彼はまた、ロンドン考古協会のフェローとしても活動し、1832年にはロイヤル・ゲルフ勲章のナイトの称号を受けるなど、幅広い評価を得ていました。

私生活と最晩年

ロッジは1808年にジェーン・アン・エリザベス・フィールドと結婚しましたが、二人の間には子供がありませんでした。彼は1839年に死去し、その遺産は姉妹のメアリー・シャーロット・ロッジに相続され、遺された蔵書は競売にかけられて多くの関心を集めました。

著作と影響

ロッジの著作には、以下のような重要な作品があります。最初のものは『Imitations of Original Drawings by Hans Holbein』で、1792年に発表され、後に1812年に再版されました。この作品は、ハンス・ホルバインの絵画を基にしたもので、人物略歴を付け加えた内容となっています。

さらに、1814年から1834年にかけて『Portraits of Illustrious Personages of Great Britain』という4巻のシリーズを発表し、イギリスの歴史的人物の肖像をまとめ、各人物の短評も添えています。ウォルター・スコットは、この2つの著作の価値を高く評価しました。

また、ロッジは1832年に『The Genealogy of the existing British Peerage』を発表し、系譜学の領域でも重要な貢献を果たしました。彼は、イネス姉妹が書いた『Annual Peerage』に名義を貸す形で貢献し、この作品は後に『ロッジ貴族名鑑』として広く知られるようになりました。

ロッジは多作である一方、遅筆としても知られており、いくつかの締め切りを逃すことがあったようです。しかし、その作品群は紋章学や貴族に関する貴重な資料として、今なお多くの研究者に利用されています。

結論

エドマンド・ロッジは、その生涯を通じて多くの業績を残し、イギリスの紋章学や系譜学の発展に寄与した重要な人物です。彼の著作は、歴史的な視点から貴族制度や社会の理解を深めるための貴重な資料となっています。

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