エドムンド・プランタジネット (ラトランド伯)

エドムンド・プランタジネットは、1443年5月17日にルーアンで生まれ、イングランド王国の王族でした。ヨーク公リチャードとセシリー・ネヴィルの息子であり、後の国王エドワード4世の弟、ブルゴーニュ公シャルル夫人マーガレット、クラレンス公ジョージ、そしてリチャード3世の兄にあたります。彼はラットランド伯の称号を保持していました。

エドムンドが生きた時代は、ランカスター家とヨーク家が王位を争った薔薇戦争の時代でした。1460年12月30日、ウェイクフィールドの戦いで、ヨーク家はランカスター家に敗北し、エドムンドもこの戦いで命を落としました。享年17歳という若さでした。ランカスター派のクリフォード卿の命令、あるいはクリフォード卿自身の手によって処刑されたと伝えられています。彼の首は、父リチャード、母方の伯父ソールズベリー伯と共にヨークの城門に晒されるという悲劇的な最期を迎えました。

エドムンドの死は、ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「ヘンリー六世 第3部」にも描かれています。しかし、劇中では史実とは異なる点がいくつか見られます。例えば、劇中のラットランド伯は、実際には一番下の弟ではありませんが、末弟として描かれています。また、彼はクリフォード卿に命乞いをしますが、最終的には惨殺されるという、より劇的な脚色を施された形で描かれています。この脚色は、エドムンドの死をより悲劇的なものとして強調し、観客の感情を揺さぶる効果を狙ったものと考えられます。

エドムンド・プランタジネットは、短くも激動の時代を生きた人物であり、その生涯は歴史だけでなく、文学作品にも影響を与えました。彼が若くして亡くなったことは、薔薇戦争の悲劇性を象徴する出来事の一つとして、後世に語り継がれています。

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