エドモンド・オブライエン

エドモンド・オブライエン: アメリカ俳優の肖像

エドモンド・オブライエン（Edmond O'Brien）は、1915年9月10日にニューヨークに生まれました。彼の両親はアイルランド系で、幼少期から演劇に興味を持っていました。オブライエンは、フォーダム大学を1年で中退後、奨学金を得てネイバーフッド・プレイハウス・スクール・オブ・シアターで演技を学びました。彼の学び舎において、シェイクスピアの『ハムレット』や『ヘンリー4世』などの古典劇に出演し、舞台での感性を養いました。

1937年からはオーソン・ウェルズが主導するラジオ劇にも参加し、彼の名声は徐々に広がっていきました。その後、RKO社と契約し、1938年の映画『Prison Break』でスクリーンデビューを果たします。当初はおもしろみのない立役者として認識されていましたが、彼の演技力は業界内外で評価され、性格俳優へと転向しました。この転機により、多くの映画で多彩な役を演じる機会が増えました。

特に1954年、映画『裸足の伯爵夫人』で演じた辣腕の宣伝マン役によって、彼はアカデミー助演男優賞とゴールデングローブ賞助演男優賞を受賞し、名実ともにトップ俳優の仲間入りを果たしました。彼は1961年の犯罪映画『男の罠』では製作・監督を務めるなど、さまざまな役割で才能を発揮しました。

俳優としてのキャリアの中で、日本とも関わりが深く、1957年には映画『Stopover Tokyo』の撮影のため日本を訪れ、1975年には『最後の航海』の日本ロケのために再度来日しました。彼の際立つ存在感は、多くの日本のファンにも強く印象付けられました。

私生活では、1941年にナンシー・ケリーと結婚したものの、わずか1年で離婚。その後、1948年にオルガ・サン・ファンと再婚しましたが、1976年には再び離婚しました。オブライエンは、俳優としての成功に加え、複雑な私生活を送っていました。

1974年にアルツハイマー病を発症し、俳優業を引退することとなりました。病気との闘いは約10年間にも及びました。1985年5月9日、彼は69歳でこの世を去りました。エドモンド・オブライエンは、才能あふれる俳優としてのキャリアを築き、多くのファンと共に記憶され続けています。彼の遺した作品は、今でも多くの人々に楽しまれています。

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